青木海青子「不完全な司書」

何年か前、三重県から奈良県に入ったことがあります。いくつかの深い森や山を抜け、平地には昭和が取り残されたようなドライブインがありました。秋の終わりでしたが、いつ雪が降ってもおかしくないような寒々しい空。車なのに思わず後ろを振り向いてしまう…

2024年2月の予定

2024年2月の予定です。 営業日 水、木、金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ 土、日、月、火曜日 2月9日はおやすみです。 ・静かな空間づくりにご協力ください。 ・本のみを目的としたご来店も歓迎します。 (お席をご利用の場合はお飲み物をご注文いただけますと…

黄昏

このところ〈時間〉にまつわる書籍が続いています。腕時計はしないし、我が家にひとつだけの時計は、見えにくい位置にわざと変えてしまいました。時間から自由になりたい表れかしら。 「年齢を3で割ると人生の時間がわかる」というのはこちらの本から。面白…

カズオ・イシグロ「忘れられた巨人」

カズオ・イシグロ作品に共通するテーマ「記憶」。この作品もやはり記憶がキーワードの一つとなっています。 人間から記憶がなくなってしまったらどうなるのでしょうか。憎しみが消え、争いがなくなるのでしょうか。それともただただ平滑な台のようなつるつる…

2024年3月の予定

2024年3月の予定です。 営業日 水、木、金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ 土、日、月、火曜日 3月20日(水曜日)はおやすみです。 ・静かな空間づくりにご協力ください。 ・本のみを目的としたご来店も歓迎します。 (お席をご利用の場合はお飲み物をご注文いた…

縣秀彦「面白くて眠れなくなる天文学」

夕方歩いていて星を見つけるとうれしくなります。東の低い空に不気味な満月を見つけてゾッとすることも。 その向こうの宇宙は今でも膨張を続けていて、そこには考えられないくらいの銀河や星があります。 普段の生活からは途方も無さ過ぎてよくわかりません…

店舗案内

読書空間 ひつじ日和 店舗案内 静岡県浜松市にある小さな書店です。 喫茶も可能です。 ひとりの時間をお楽しみください。

出張

富士山からの清き流れに目を奪われて始まった朝。思いがけず富士宮にて、初めて出張本屋さんになりました。ホールアースデイというイベントに参加させてもらったのです。 やったことのないことをやってみる面白さだけでなく、ご来場者に予想以上に多くの本に…

MY TIME

(このところ毎週こちらで美しい夕日を) 〈命とは実は時間だ〉という、どなたかの言葉が頭に残り、自分の時間=命、の使い方が益々大事だと思うようになりました。二十代のような投げやり(ヤケクソ)な時間の使い方は、幸せには程遠いあり方でした。 持ち時間…

白井健太郎「クックマートの競争戦略」

クックマートが浜松に何店舗かできました。豊橋を拠点とする食品スーパーです。 他のスーパーを利用していたので、初めて行ったのは3年ほど前。それからずっとクックマートです。 生鮮食品がおいしいことと、働いている人がたくさんいてレジ待ち時間がとても…

池上彰「おとなの教養」

知識の増え方は雪だるま式だと思います。最初はなかなか大きくなりませんが、あるポイントを超えるとどんどん膨らんでゆきます。それは人生の楽しみでもあり、豊かさにつながります。 池上さんが教養について、そして教養の一部をやさしく講義します。内容は…

ひとりの時間

ひとりの時間にぴったりの本をみつけました。きっと素敵な方はみな、こんな風にひとりの時間を大切にしているのでしょう。 難しくせず誰にでもわかる言葉で語りかけて下さるのがうれしいです。深いやさしさを感じます。 矢作先生の若々しさの秘密も、この本…

エーメ「壁抜け男」

初めて読みました。マルセル・エーメ。1900年代前半に活躍した人です。 驚き、滑稽、切なさ、など様々な要素が詰まっている、先が気になる作品ばかり。 かなり変わっているけれど貧乏人に優しい古道具屋店主。子どもの代わりに作文を書く父親。パラレルワー…

パウロ・コエーリョ「賢人の視点」

ガルシア・マルケスに続いて南米の作家パウロ・コエーリョの本です。 ご自身の「経験や、誰かから教わった話、人生という川の流れを旅するなかで考えたことなどが集められて」います。 一つ一つは1ページから長くても5ページほど。 すぐに読めるけれどそのと…

羨望

〈他者に理解されることを目的としない心の声は、散文よりも詩の形に近くなる〉という背表紙の文言に誘われて「停電の夜に」のジュンパ・ラヒリさんの本を手にとりました。 詩集?自伝?創作?母国語ではないイタリア語。ローマのアパートの古い机の奥から出…

司馬遼太郎「街道をゆく39 ニューヨーク散歩」

司馬遼太郎さんがニューヨーク行きました。出会う人、行く場所がとても魅力的に思えます。それは司馬遼太郎さんの、人を信じて良い所を見つけ出す能力、そして豊富な知識がそうさせているのではと感じます。 運転手のマクドナルド氏、案内の平川氏、ドナルド…

牟田都子「文にあたる」

何気なく読んだり見たりしている本や雑誌、新聞。多くの人が関わっていることは何となく知っていましたが、校正者という存在を知ったのはいつでしょうか。誤字、脱字を訂正するだけではなく、もっと大きな視点から文章を確認します。 牟田さんは偶然校正とい…

味噌の話

人生で初めてのことはそれがどんな些細なことでもワクワクするものですね。昨年は知り合いの先生にいろいろとお膳立てしてもらい、味噌作りをしてみました。 気軽に挑戦できる丈夫で透明な袋が入れ物でしたので、発酵していく色の様子をまじまじと観察できて…

滝沢秀一「このゴミは収集できません」

先日、静岡県三島市が粗大ごみをメルカリに出品する、というニュースを耳にしました。三島市の最終処分場はほぼ満杯で、年間約8000万円を使って県外の施設に焼却灰を搬出しているそうです。使えるものは誰かに利用してもらった方が、環境にも税金にも優しく…

フランツ・カフカ「雑種」

誰の言葉だったか忘れてしまいましたが、「カフカを読んだから小説が書けるようになった」と言っていた人がいます。(ガルシア・マルケスかも) その意味がよくわかります。100年以上前にこんなにぶっ飛んだ小説を書く人はあまりいなかったでしょう。そこま…

する、しない。

こちらに掲載されている伊藤まさこさんのキッチンを見た瞬間、お掃除ヤル気スイッチが入りました。 おかげで理想にまた一歩、近づけたような。ある段階まで来ると、種々のヤル気スイッチも慣れや条件が発生してしまい、刺激されにくくなるところをグッと踏み…

ガルシア・マルケス「ぼくはスピーチをするために来たのではありません」

人前で話すことがあまり好きではなかったガルシア・マルケスさん。それでも人々はノーベル賞作家の言葉を聞きたがります。生涯で20回と少しだけ、人前で講演をしました。この本はその記録です。 芸術方面に多大な関心を寄せるとともに、中央アメリカ、南アメ…

カレル・チャペック「園芸家12ヶ月」

プランターで夏野菜を作っていると、だんだん土づくりに興味が出てきます。土がうまくできた年ほど収穫量も上がる気がしています。 秋、冬にかけて、生ごみをプランターに投入します。コンポストほど早くはありませんが、微生物がしっかりと仕事をします。数…

2024年1月の予定

2024年1月の予定です。 年始の営業は1月10日からです。 営業日 水、木、金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ 土、日、月、火曜日 ・静かな空間づくりにご協力ください。 ・本のみを目的としたご来店も歓迎します。 (お席をご利用の場合はお飲み物をご注文いただ…

素人

「私語厳禁!」頑固親父的張り紙のお店にするつもりはありませんが、「読書空間ひつじ日和」としましては、そこに居合わせた者が互いに配慮し合えるような、ぬくもりあるお店がいいなあと思っています。 本を読む空間という意味においても、本に出会う空間と…

「オスカー・ワイルド ショートセレクション 幸せな王子」

オスカー・ワイルドの童話3話と短編2話。短編2話は、当時なぜオスカー・ワイルドが人気だったのか納得するくらい興味深い作品でした。 ミステリーとユーモアと最先端の科学が少しずつ入っています。 このショートセレクションシリーズは、その作者の入口にぴ…

アンヌ・レエ「エリック・サティ」

不思議な人、エリック・サティ。良寛さんのように子供たちに優しく、普段からよく歩き、曲に変なタイトルを付け、楽譜に風変りな注意書きを残し、なのに魅力的な曲を数多く創り出し、人々から好かれたり、嫌われたり。 変なタイトルの曲「犬のためのぶよぶよ…

手紙

(冬の落葉松の並木道) 本日いい気分にて、“太宰さんを好き” なので「愛と苦悩の手紙 君を思い 思うことあり」を読んでみました。 膨大なお手紙、あちらへこちらへ。この方、もし今生きていたらLINEだかメッセージだか、ぴこぴこ鳴り止まないのでは。 暗い戦…

奥田英朗「我が家のヒミツ」

もし妻が突然市議会議員選挙に「出馬する」と言いだしたら。もし同期が出世し、自分が関連企業に出向となってしまったら。もし妻が隣に住んでいる人の様子をうかがい「怪しい」と言い出したら。もし娘が突然留学したいと言い出したら。もし職場に有名人がや…

ジョージ・オーウェル「動物農園」

イギリスの田舎の農園。動物たちは幸せに暮らしているようです。 ある日、自分たちは人間に搾取されているのではと気が付きます。よりよい生活をするために動物たちが実行したことは何か。 自由とは、国家とは、リーダーとは。 フェイクニュースをそれと見破…