人間が生存可能な温度で、個体にも液体にもなり、空気中に含まれる水。
地球上の全ての生き物に必要でありながら、人間はその中では生き続けることができません。
「水のかたち」というタイトルですが、水には形がありません。
何か入れ物があればその形状になりますが、水の中に何かを入れてもその物自由自在に包み込みます。
考えれば考えるほど不思議ですね。
その水のように自由に生きている人々の物語。
問題や壁にも当たりますが、水のようにやんわり変形するように対応します。
宮本輝さんの頭の中ってどうなっているんだろう、といつも不思議に思います
。
新聞のインタビューでおっしゃっていました。
「簡単に書いてあって読み飛ばしてしまいそうになるけれど、深いものが詰まっている文章を書きたい。」
普遍的で考えるべきことが詰まっている言葉です。
宮本輝「水のかたち」
読書空間 ひつじ日和