哲学、と聞くととても堅苦しく難解なものと思ってしまいます。
この本を読むと、それがすこし和らぎます。
いつも何気なく考えてることは全て哲学と言って良さそうだからです。
「小学校のときの給食の味噌汁に入っている、ちょっと煮込まれすぎてどろっとなったわかめ」なんてものが主題になったりする。
渋滞している2車線の道路が1車線になる時、車線変更をしたくてもなかなか入れてくれない人がいます。
1台くらい入れたって到着時間は何も変わらないのに入れてくれないのはなぜでしょう。
そして哲学対話というものに興味を持ちました。
数人で丸くなってあるテーマについて語り合います。
語り合いであって、決して議論ではありません。
ルールがとても重要です。
1.何を言ってもいい。
2.人の言うことに対して否定的な態度をとらない。
3.発言せず、ただ聞いているだけでもいい。
4.お互いに問いかけるようにする。
5.知識ではなく、自分の経験にそくして話す。
6.話がまとまらなくてもいい。
7.意見が変わってもいい。
8.分からなくなってもいい。
普段の会話もこのルールを意識したらとても快適なものになるのではと思いました。
水中に潜っているような気分になりました。
永井玲衣「水中の哲学者たち」
読書空間 ひつじ日和