( 霧が立ち込めてしっとりとした朝の茶畑)
お茶の志田島園さんとの出会いは、いつもふわっといい風をつれてきてくれる友人の紹介でした。信頼して流れにのってね、と自分の感覚も囁いています。
茶園を訪ねた日、当初は室内の軽作業をお手伝いするつもりでした。ところが、昨年秋の水害で茶畑が土砂に埋まる被害を目の当たりにし、微力ですが私も土砂を取り除く作業をすることに。完全に埋もれていたお茶の木たち。びっくりするほど大きな石や倒木の破片、重く水を含んだ土を、スコップでひたすら掻き出します。
近隣の畑では、人手不足や重機の入れない場所であるために廃業してしまう方もいらっしゃるそうです。もうこれ無理じゃない?と嘆きたくなるような地道な作業。まだ冬だというのに、汗をかきながら知らぬ間に夢中になりました。気が付くとお茶の木と木の間に道が!
( before写真を忘れたのは痛恨の極み)
普段使わない筋肉を使ったようで、翌日は全く使いものにならない酷い有様でしたが、今までに感じたことのない爽快感を伴う、貴重な経験となりました。夕方帰宅すると、泥だらけの長靴とヘロヘロな母親、一体何事かとこどもたちが駆け寄ってきたのは言うまでもありません。
感じたことは、ここでも自分のちっぽけさ。被害だって気候変動のせいかもしれない。大自然を前に無力な人間。
でも…
情熱を持ってお茶作りをする人。
情熱を持ってそれを応援する人。
彼らと一日をご一緒して、本当にすごい!と思いました。志田島園さんの美味しいお茶をずっと飲みたいから、この方から買うことを選択し、心を込めて淹れたいと思います。
(わさび田の清流の音にも癒されました。もちろん、わさびも絶品!)
(どこまであるの〜)
冷涼で日照時間の短い山合いで獲れる茶葉は、やわらかく上質で浅蒸し製法に向くとのこと。自宅で初めてこちらのお茶を出した時、うちの末っ子ちゃんは、その茶葉の色の美しさに思わず食べたい!と言いました。実際、食べることができるそうです。
普段よく飲む深蒸しのお茶とはまた違う、香り高いなんとも品のいいお味。ゆっくり大事に、いただきたいなあ。
志田島園さんのホームページ
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