安野光雅さんが小学校の先生をしていた時の生徒の一人が藤原正彦さんだそうです。
そしてこの本を企画した筑摩書房の松田さんも安野さんの生徒だったとのこと。
すごい小学校なのか、ただの偶然なのか。
豊かな日本語についてお二人が対談します。
日本語を母国語とする人間でありながら、その豊かさの半分も知らないのだな、と思いました。
藤原さんは漢文も日本分になっていると述べます。
書き下し文にしたものはもう日本語だと。
それに対し安野光雅さん
「私は、漢詩が読めるわけではないのに、唐詩選などを読むと、日本の現代詩よりも触発されることが多いんです。」
とてもよく分かります。
藤原正彦さんは数学者なのに大学で「読書ゼミ」を担当していました。
このゼミに参加する条件は、
1.受講者は毎週1冊の文庫を読む根性があること
2.受講者は毎週1冊の文庫を買う財力があること
だそうです。
なんて魅力的なゼミなのでしょう。
ユーモアに溢れる対談でした。
安野光雅 藤原正彦「世にも美しい日本語入門」
読書空間 ひつじ日和