告別

 

桜並木

 

春は別れの季節、そして、こどもたちのピアノ発表会の季節です。期限が迫ると通常より練習に熱が入ってきます。誰かが弾いているとなぜだか弾きたくなるもの。どちらが先だと揉めながらも、各々が曲の総仕上げです。

 

難しそうに思えた曲を、数ヶ月間向き合えばそれなりに完成させていくこどもたちの姿を、すごいなあといつも尊敬しています。 

 

それにひきかえこちらはというと、何年も練習中のまま。彼らのようにスピード感ある上達は望めませんが、のらりくらりと好きな曲を、思いついた時に練習するのが好きです。

 

ショパンのワルツで気に入っているのは「告別」という曲。優雅で変化に富んでいて、タイトルの別れのイメージがあまりわきませんでした。

 

どんな経緯で作曲されたのか、本当のところは誰にもわからないのでしょうけれど、「またいつか会いましょう」という意味が込められているとの見解を、私も採用しようかな。

 

普段は慎み深くミュートで。音を出すのはかき消されるであろう、嵐か雷雨と決めています(笑)万年練習中で完成度は低め、でも満足度は高め♪誰にも発表しない、自分だけの密かなお楽しみ時間です。

 

 

 

フレデリック・ショパン「ワルツ第9番  変イ長調 作品69-1」

 

 

 

読書空間 ひつじ日和