人生を太さで例えることがあります。
太く短くなのか細く長くなのか。
明治から昭和初期にかけて何かをなした人は太く短いことが多そうです。
宮沢賢治、樋口一葉、中原中也、中島敦。
そして正岡子規。
産業革命、人口増の結果、結核等の疾病が蔓延します。
それらに対する特効薬はまだありません。
好奇心旺盛でバイタリティ溢れ、なぜか人に愛されるノボさん(正岡子規)。
その行動力が結核を増長してしまったような感があります。
長くはない人生を知ってさらに速度をつけて駆け抜けます。
旅も正岡子規の重要な要素のようです。
明治24年には軽井沢、明治25年には浜松に立ち寄っています。
どこで何をしていたのでしょう。
もしノボさんがいなければ日本の文学や俳句はすこし違ったものになっていたかもしれません。
夏目金之助は夏目漱石でなかったかも。
知ってはいるのに最期はやっぱり哀しみでいっぱいでした。
正岡子規を思い浮かべるとどうしても香川照之さんになってしまいます。
(ドラマ「坂の上の雲」では正岡子規役を香川照之さんが演じていた)
伊集院静「ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石」
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