何気なく読んだり見たりしている本や雑誌、新聞。
多くの人が関わっていることは何となく知っていましたが、校正者という存在を知ったのはいつでしょうか。
誤字、脱字を訂正するだけではなく、もっと大きな視点から文章を確認します。
牟田さんは偶然校正という仕事に出会います。
何にも分からない校正・校閲という世界を少しずつ切り開いていきます。
仕事の奥深さ、魅力を伝えるとともに、間違いがなくて当たり前という苦しさ、正解が無いことへの戸惑いも正直に語ります。
ある程度の緻密さと、ある程度で割り切る思い切りの良さの両方が必要なのではないでしょうか。
そういえば小川洋子さんの「ミーナの行進」の中で、ミーナのお母さんが誤字、脱字の収集をしていました。
「滅多には出会えないのよ。宝石を掘り出すみたいなものね。」
しっかりと校正がなされているからこそ、宝石みたいになるんだと思います。
牟田都子「文にあたる」
読書空間 ひつじ日和