ある無差別殺人事件に対して爆笑問題の太田光さんは「そういう思いにかられることは誰しもあって、自分がそういう状態から立ち直ったのは、ピカソの絵に感動したからだった」とコメントしたそうです。
この本を読んでも同じように思います。
ホールデン・コールフィールドくんみたいなことはきっと誰しもにあります。
ちょっと頭のおかしい人、と断罪していまうのは簡単ですが、そういう人間を作り出してしまったのは紛れもなく自分たちが存在している社会であることも考慮するべきです。
齋藤孝さんは孤独の時ほど教養が必要とおっしゃっています。
太田光さんは教養に救われたとも言えるでしょう。
ホールデン・コールフィールドくんの頭の中を覗き込むような、クリスマス直前の二日間。
当時の彼にとってはみんなインチキでろくでもないカスみたいな人間です。
にもかかわらずその人の良い所もしっかりと見ています。
誰も知らない場所で聾啞者のふりをして生きていきたいと妄想します。
孤独が嫌で誰かと会うのだけれど、必ずトラブルを起こします。
にっちもさっちもいかない時間がただただ過ぎ去ります。
トンネルの先に光はあるのでしょうか。
J.D.サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ(The Catcher in the Rye)」
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