これは駆け引き小説です。
登場人物全員が駆け引きをします。
親子であろうが兄妹であろうが夫婦であろうが友達であろうが。
相手がどこまで何を知っているのか想像をしながら会話します。
そんなこと普段からやっていたら疲れちゃいますね。
だからこそ小説として面白いのだとは思いますが。
時には明転したり、突然暗転したり。
電話や電車など便利になった生活もちりばめられ、駆け引きに利用されたりもします。
夏目漱石の最後の作品であり未完成です。
もしこれよりも50ページ短かったとしたらもっと消化不良になっていたでしょう。
重要人物がやっと出てきたところです。
十分長い作品ですが簡単に終わりそうにありません。
夏目漱石はどんな結末を考えていたのでしょうか。
夏目漱石「明暗」
読書空間 ひつじ日和