どこか遠くへ旅したいという願望。若い時ほどの強さはないものの、自分の中にずっと、そっとあるように思います。
その原点的な記憶を、お客さまとの会話の中で唐突に思い出しました。約三十年間も続いた兼高かおるさんの「世界の旅」というテレビ番組。
日曜の朝に父と一緒によく観ていました。幼い時なのでほとんど内容は覚えていないのですが、飛行機に乗って知らない国へ行く素敵な女性と、お話されている言葉が美しいことはしっかり記憶。「わたくしは、〇〇〇〇〇〇なんですのよ。」みたいなナレーション♪
旅行記やエッセイなどがないかとすぐに取り寄せ、貪るように読みました。取材先は150ヶ国以上、ケネディ大統領やチャールズ皇太子と会ったこともあり、訪問先で気に入られどこかの島や石油の採掘権をプレゼントされたこともあったそう。
決して真似できないタフさですが痛快。やはり、ご著書の中も「わたくしは〜」がいっぱいです。この目で見てきたこと、経験したことを大切にされている兼高さんのアイメッセージって本当に気持ちがいいな。元気になる。
地球規模の視点を持つ方が教えてくださる日本のすばらしさも響きます。この星の緑や青、美しい街並み、まだ見たことのない景色。もし機会があるのなら私も!と、素直に思える楽しさでした。
兼高かおる「わたくしが旅から学んだこと」
読書空間 ひつじ日和