ノルウェーの春夏秋冬。壮大なフィヨルド。氷や水、風の音は、そのまま地球の音なんだと感じました。いつも私たちが遠州灘で風に吹かれながら聴く波のリズムとは違う、荘厳な音でした。
声高に何かを訴えてはいないけれど、監督の想いが迫ってくる映像。氷河がバサバサと崩れ落ちていく姿をどんな気持ちで撮っていたのだろう。
冬の湖でスケートする老父の後ろ姿が心に残りました。スケート靴は氷とあんな音を鳴らすのだとはじめて知りました。
私の夫は子供の頃に長野の湖で滑っていたそうです。今の気候では天然湖で同じようにスケートするのは難しそう。もう聴けない音なのかもしれないと思うとせつなくなりました。
厳しい自然の中で暮らす人々にいつも心惹かれてしまうのは、深い知性と人の温もりをより感じられるから。きっと自分に必要なものを求めバランスをとっているのだと思います。
読書空間 ひつじ日和