竹倉史人「土偶を読む」

 

土偶には何か魅力があります。
ゆるキャラのようでありながら、少し怖いところもあったりします。
これだけ時代が進んでも根本的なところで人間は変わらないものなのでしょうか。

 

土偶の専門家ではありませんので、土偶がどんな意味をもつのか、どのように利用されていたのか、まったく知りませんでした。

この本では従来の解釈に一石を投じました。
確かにそのように考えると面白いです。
状況を整理し、しっかりと検証されているようにも思います。
その上で十分ではない、と述べているところも。

ただ少し引っかかるところもありました。
竹倉さんが見えているように見えない部分もあります。
今までだれも考えたことが無かった、と断定しているところも。

 

そして一番残念なのは専門家批判になってしまっているところです。(「おわりに」より )

確かに専門家が絶対に正しいとも言えません。
権威みたいなものがなんとなく嫌悪につながることもわかります。

けれども深いところを研究していることも確かでしょう。

できれば若手の専門家と仲良く議論しながら調査して欲しかった、というのが率直な感想です。

 

「土偶を読むを読む」も読んでみたいと思います。

 

竹倉史人「土偶を読む」

 

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