原田マハ「モダン」

 

回転するところに使われる機械要素部品、ボールベアリング。

インラインスケートをしていた小学生高学年の頃、たまにボールベアリングのメンテナンスをしました。

当時はまだボールが見える構造で、灯油で洗った後にグリスをたっぷり塗り込みました。

 

ボールベアリングは小さくとても神秘的な構造です。

誰が考えたのでしょうか。

精巧なボールに魅了された記憶があります。

古代から重いものを動かすときに丸太を敷いていましたが、その仕組みを回転に応用しました。

レオナルド・ダ・ヴィンチがスケッチを残しているそうです。

数年前に流行ったハンドスピナーはボールベアリングの賜物です。

 

1930年代にニューヨーク近代美術館で「マシン・アート」が展示されました。

そこにはボールベアリングもありました。

この本の「私の好きなマシンアート」にも登場します。

主人公のジュリアはマシン・アートに魅了され、プロダクトデザイナーを目指します。

そして現在誰もが知っているあの電子機器に到達します。

 

 

 

ニューヨーク近代美術館をめぐる5つの連作短編集。

フィクションとノン・フィクションのあいだをたゆたっているようです。

 

 

 

 

原田マハ「モダン」

 

 

 

ここにあるものはね、僕たちが知らないところで、僕たちの生活の役に立っているものなんだ。それでいて、美しい。それって、すごいことだと思わないかい?

 

 

 

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