2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョン・アーヴィング「ホテル・ニューハンプシャー」

2回目です。 かなりぐらぐら来ました。 内容も細かいところまで再認識しました。 最近、ハイドンやらモーツァルトやらでウィーンが近く感じられます。 「熊を放つ」もウィーンでしたね。 映画「ビフォー・サンライズ」もウィーン。 ホテル・ニューハンプシャ…

須賀敦子「地図のない道」

どうということのない話から始まって、たまにぴょんと飛びますが、また戻ってきます。 それがすごく心地よく、それでいて心もとない感じがします。 不安定な所に立っているけれど、でも安心感も一緒にある。 観察力、言葉の選び方、表現の仕方、どれも心地よ…

瀬尾まいこ「天国はまだ遠く」

人を癒やしてくれるものの一つに自然があります。 特に圧倒的な自然は厳しさもありますが、同時に優しさもあります。 人の限界も自然が教えてくれます。 それから、人は人を傷つけることもありますが、癒やすのもまた人です。 美味しい料理にも癒やされます…

佃律志「生涯改革者 上杉鷹山の教え」

上杉鷹山という人の名前は聞いたことがありましたが、何をした人かは具体的には知りませんでした。 1700年代後半、江戸時代の後期です。 19歳で、極貧の米沢藩藩主になります。 そこから米沢藩を立て直します。 それは、とても強いリーダーシップと民衆への…

田坂広志「目に見えない資本主義」

この考え方は非常に重要だと思っています。 なぜリーマンショックが起こってしまったのか。 人間の欲求の一つに、困っている人がいたら助けたい、というものがあると思います。 会社の根底もそこにあると信じています。 実践あるのみ。 スローな、より成熟し…

朽木ゆり子「フェルメール全点踏破の旅」

福岡伸一さんの影響で、レーウェンフック、及びフェルメールのデルフト出身、同じ歳の二人に興味があります。 「小路」「デルフト眺望」「少女」が好きでした 同じガウンや真珠の首飾りが、いろんな絵にでてくるとは思いませんでした。 それを探すだけでも楽…

角田光代「ちいさな幸福」

デートにまつわるリレー短編集。 デートでなくても、人を好きになった想い出ならだれでもが語れるのではないでしょうか。 ある夏の音楽際に一緒に行った女性のことを思い出しました。 音楽を聞いて、夏の星空を眺め、それだけだったのですが、家の近くで別れ…

星野道夫 星野直子「星野道夫と見た風景」

直子さんの愛情がたくさん入っている本だと思います。 文章の間からひしひしと感じられます。 きっと本当に幸せだったんでしょう。 何かの本で星野道夫さんが書いていました。 「アラスカにオオカミが居なくなっても、ぼくらの生活は変わらない。 けれど、想…

長谷川英祐「働かないアリに意義がある」

福岡伸一さんの「福岡ハカセの本棚」の中で紹介されていて、興味を持ち、読みました。 小動物は単純な為に人間のように複雑な仕組みは持っていないはずです。 それでも生き続けることができるのは、単純さを最大限利用できるように進化しているからでしょう…

村上春樹「シドニー」

「オリンピックはちょっと大きくなりすぎている。甲子園のように毎回アテネで開催すべき」に賛成します。 ロンドンオリンピック前に読みました。もうすぐソチ(冬季だけど)が始まります。 ・オリンピック開会式は、そういえばぼくも観たことが無い。 ・マラソ…

ノーマン・マクリーン「マクリーンの川」

自然は厳しく、そして時にはその恵みを優しく与えてくれる。 宗教もしかり。 宗教とフライフィッシングに境界のなかった家族の物語。 いろんな葛藤を抱えている弟を救おうとして救えなかった兄。 多分、救ってもらいたくても家族を慮り素直になれない弟。 40…

川はそこを流れている

小学生くらいの時、川に行くのが好きでした。 父親が投網を趣味にしていて、日曜日になると4時頃もそもそと起き出し、二人で川に向かいます。 たまに友だちを連れて行くこともありましたが、父と二人だけ、ということが多かったように思います。 そういえば…

曽野綾子「人間にとって成熟とは何か」

人を最大限の想像力で、思いやることが、成熟、ということになるのでは。 それが年齢によって、より想像できるようになる。 仕事においても、後工程のことを想像できるかどうか、で人間関係が変わってきます。 共感できることも多く、楽しく読みました。 現…

大塚寿「1万人の体験から学んだ「聞く技術」」

聞くというのは、非常に大切ですし、難しいことです。 常に聞き側にいようと努力していますが、どうしても途中でさえぎったりしてしまいます。 良くないことですね。 この本では、聞く技術を深堀しています。 ちょっと冗長な部分もありますが、概ねその通り…

カート・ヴォネガット・ジュニア「スローターハウス5」

ヴォネガットさんは天才的な想像力の持ち主だと思いました。 なぜそんなことを思いつき構成できたんでしょう。 例えばキリストの時代に行って、本当に死んだかどうか、聴診器を当ててみるなんて発想はなかなか出来るものではありません。 (これは物語の上で…

ロバート・レッドフォード「リバー・ランズ・スルー・イット」

長い間観たいと思っていて、やっと観ることが出来ました。 ”it”とは何か知りたかったのです。 itは、観た人の人生によって変わってくるのでしょうね。 それが良い映画の要件でもあるような気がします。 ぼくにも弟がいますが、兄とはノーマンのような存在に…