2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

伊東光晴「原子力発電の政治経済学」

原発賛成、反対の如何を問わず、一度読んでみた方が良いと思います。 経済的に全く効率の悪い原発が、なぜここまで推進されてきたか。 実はお金の力がかなりすごいことになっています。 原発着工すると年間77億円の交付金だそうです。 麻薬ですね。 アメリカ…

坂本龍一x東京新聞「脱原発とメディアを考える」

我が家はたまたま中日新聞にしているのですが、等身大で共感する内容が多いと感じます。 またインターネットでは知ることのできない情報というのは新聞にたくさんあります。 記者さんたちが頑張っているからですね。 坂本龍一さんの理論は明快です。 いろい…

宮本太郎「弱者99%社会」

先日NHKオンデマンドで、子供の貧困についての番組を見ました。 日本に住む子供の6人に1人は貧困である、と。 あまり実感できませんが、その内容にはびっくりしました。 毎食白米だけの子供たち。全身がりがりの母親。 なぜこうなってしまったのだろうか、な…

ポール・オースター「幻影の書」

交わる可能性の無い男達が、ある日偶然に接点を持ち始めます。 男は二人とも心の奥の深いところにキズを追っています。 特に古い方の男はすごい人生を送りました。 愛する人を失い、各地を彷徨い、辿りついた場所でやっと安心します。 ポール・オースターら…

宮本輝「約束の冬」

何かがしんしんと降り積もるような感覚を受けました。 世の中には知らないことがたくさんあります。 この本に出てくる飛行蜘蛛もそうです。 そして宮本氏があとがきで書いているように、 ”大自然の慈愛に似た何者かを、現代のおとなたちは学んではこなかった…

伊坂幸太郎「アイネクライネナハトムジーク」

斉藤和義さんのCDと一緒に入っていた短編集を昔読んだことがあり、その続きだということで読んでみました。 人との出会いをテーマにした連作短編集。 あの人とこの人がこういう関係で、としっかり追っていくとこんがらがってしまいますが、(それが面白い部分…

井口俊英「告白」

1995年に発覚した、大和銀行ニューヨーク支店巨額損失事件の当事者が書いた本です。 非常に読みやすく、面白い内容でした。 頭脳明晰な方には違いありません。 一つの損失を隠すために、不正な取引に手を染め、焦るあまり雪だるま式に損失が膨れ上がります。…