2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

宮本輝「五千回の生死」

よくこんな話が思いつくなぁって、尊敬しながら読みました。 「トマトの話」の手紙の行方、なぜトマトを欲しながらそういう行動に出てしまったのか。 「昆明・円通寺街」の友達の生死の行方は。 疑問を残しながら、でもそのままで十分余韻を楽しめます。 「…

井上靖「本覚坊遺文」

千利休の弟子にこのような方がいたのですね。 弟子から見た利休、しかも利休没後に回想していることが よい雰囲気を出しているんだと思います。 数十年に渡って、時間の許す限り師のことを考え尽くし、だからこそ到達できる思考というものがあるんじゃないで…

シンプルに生きる

クレジットカードの更新時期が来ました。 新しいカードが来たので、添付(台紙)の内容をよく読み、古いカードはじょきじょき切り刻んでぽいっと捨ててしまいました。 その後で「重要:本紙を必ずお読みください」という紙を発見しました。 内容は、新しいカー…

辺見庸「もの食う人びと」

食べたものは、すべからく体内に取り込まれその人を形作ります。 そのままの意味において人間の基礎となる食べることについて、焦点をあて、各地を旅します。 食べ物についてがメインですが、その裏には非常に政治的、人道的な問題が潜んでいます。 個人の力…

武田邦彦「偽善エネルギー」

エネルギーのことを、客観的に知るひとつの方法として読んでください。石油はいつまで使えるのか。原子力発電は安心か。自然エネルギーはどうなるのか。 ハイブリッド自動車や、省エネ家電への買い替えが本当のエコでは無いとおっしゃっていることには賛成し…

アンソロジー「おやつ」

おやつをテーマにしたアンソロジー。 老若男女新旧の文章家さんたちが、様々なおやつについて熱く語ります。 自分からは敢えて手に取らない昔の人逹の文章も読むことができ、非常に興味深かったです。 以前にどこかに掲載されたものを集めてきたので面白いん…

太田牛一「信長公記」

信長のことがこんなに事細かに分かるなんて。 凄い文書です。 信長の、かなり近くに仕えていなければいけませんし、しかもどこかで戦死していたら残っていないわけです。 それから、記憶力、残そうとする気力、いずれも揃わなければいけません。 奇跡的だと…

ドミニック・ローホー「シンプルに生きる」

「はじめに」の中に、全ての女性に、と書いてありましたが、男性も読んでみてください。 書いてあることの裏にあるものはとても深淵です。 著者が禅に出会ってから30年。 乱暴に言ってしまえば、30年考え、実践し続けてたどりつける内容です。 良寛さん言葉…

萩原朔太郎「郷愁の詩人 与謝蕪村」

萩原朔太郎さんがこういう本を書いているんですね。 与謝蕪村さんの俳句はなんとなく面白いと思っていました。 ぼくの能力ではなぜ面白く感じるのか分析することはできませんが。 ですが、この本を読んだからといってすっきりするわけではありません。 やっ…

中村航「ぐるぐるまわるすべり台」

「ぐるぐるまわるすべり台」「月に吠える」の短編2つ。 いずれも主人公が裏方で終わります。 地道に仕事ややるべきことをこなしていくのですが、 決してその成果をわがもののような顔をしません。 威張らず、奢らず、奥ゆかしく。 好感が持てます。 特に「月…

宮本輝「血の騒ぎを聴け」

気が付くと、宮本氏の本をいろいろと読んでいます。 しかもどれも面白い。 凄い小説家さん。 エッセーを読んでみたいなと思っていたところ出会いました。 宮本氏の自身の小説に対する想いも興味深かったですが、 日常を綴った文章も面白かったです。 ときど…

今泉耕介「帰ってきた「はやぶさ」」

はやぶさのことを簡単に知るには良いとは思います。 おそらく記述の仕方から小学校高学年程度を想定して書かれていると思います。 しかし、書き方が小学校低学年以下に向けているのではと思いました。 イラストも誤解を生むと思います。 はやぶさの気持ちの…

細川護熙「不東庵日常」

不東庵での細川氏の生活は、とっても理想的な生活だと思います。 また、読書に関しても、難しくて入り込めないものばかりです。 しかし興味はある分野ですので、いつか読みたいと思っています。 晴耕雨読。 簡単なようでなかなか実現し難い言葉です。 とても…