2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

司馬遼太郎 ドナルド・キーン「日本人と日本文化」

司馬遼太郎さんと、ドナルド・キーンさんの対談本。 非常に興味深く読みました。 それにしてもお二人の知識はすごいです。 特にキーンさんは、なんでこんなに日本の事を知っているんでしょうか。 司馬さんもたまに、「なんでそんなことまで知っているの」と…

エリック・シブリン「「無伴奏チェロ組曲」を求めて」

この本を読もうと思った日は3月21日。バッハの誕生日です。 もし生きていれば329才の誕生日。 カザルスの生涯、バッハの生涯、無伴奏チェロ組曲の謎。 これらが著者の情熱を媒介にし、絶妙なハーモニーを奏でます。 エリック・シブリン氏が、この本を書くに…

岡村知彦「浅間山信仰の歴史」

先日、日本経済新聞を読んでこの本を知り早速購入しました。 浅間山の麓で育ったのですが、こういう視点を持ったことはありません。 石像達にもそんな意味が込められていたとは。 ある程度著者の想像、推理的な部分はありますが、 多方面からしっかり調査し…

新潮社ストーリーセラー編集部編「Story Seller」

買って、何年も本棚の中にあったのですが、先日偶然手にとって読み始めました。 少し長い短編です。 それぞれ文庫になっていてもおかしくない程度の長さです。 それらが連なって、非常に読み応えのある1冊でした。 例えるなら、お子様ランチとコース料理の中…

やまこうさん

お世話になっている方が新しくお店を開きました。 先日、遅ればせながらお店に行ってきました。 やわらかく、それでいて何かピンと張りつめた空気のある、良い空間でした。 大根も納豆もわかめのふりかけもおいしかったです。 精神的な贅沢、とはこのことだ…

中村航「さよなら、手をつなごう」

今の小中学生ってこんな感じなんでしょうかね。 ぼくらのときとだいぶちがう気がします。 (田舎、ということもありますが・・) 内容は、今までの航さんの作品にくらべて、ちょっと物足りない感じでした。 中村航さんは中編くらいの物語が上手なんだと思いま…

村上春樹 柴田元幸「翻訳夜話」

もし若い時にこの本に出会っていたら、翻訳家、もしくは文章家を目指していたかもしれません。 英語を日本語にしていくことは、ものすごく楽しいことなんじゃないかと思えます。 それにはまず、自分の好きな小説を原文で読めないといけませんね。 ハードルが…

春へと向かう日々

カラスたちがトンビのような大きな鳥を襲っていた。 大きな鳥なのにカラスにつっつかれて墜落するみたいによろけていた。 相当悪いことしましたね。 -- 渋滞しているな、と思ったらドクターヘリが着陸するところだった。 そこは公園の脇の道で、近くまで来て…

松本清張「砂の器」

先日日本海側に行くことがありました。 なぜか砂の器のことが頭に浮かんで来たのです。 何時だったかテレビドラマでやっていましたよね。 数回横目で見た程度だったので、あんまり覚えていませんが。 確かに日本海側の地方が良く出てきます。 推理小説はあま…

村上春樹「1Q84」

読書初級者に、「村上春樹さんの本で、読むべき本は?」 と聞かれたら、この本は挙げません。 長いし、おそらく人によってはもう村上さんを読まなくなってしまう可能性があります。 読書中級者には、一度読んでもいいかも、と答えます。 ちょっと我慢すれば…

ベルンハルト・シュリンク「朗読者」

誰かために朗読をするということは、その人を愛していなければできないことです。 声を出して本を読むことはとても大変だし、 自分で活字を追うよりも長い時間が必要だから。 惜し気なく朗読に時間をささげる相手。 やっぱり愛がなければ難しいと思います。 …

藤原正彦「国家の品格」

何度読んでも納得できる本です。 情緒は重要だとぼくも思います。 何にでも値段が付き、すぐに効率化を追求する世界は味気ないです。 余裕と無駄が生み出すものを大切にしたい。 卑怯はだめだ。 ならぬものはならぬ。 ちびっこたちにも少しずつ教えていきた…

新田次郎「八甲田山死の彷徨」

4日も5日も-20℃の中に閉じ込められて、生き続けるなんて不可能なんじゃないかと思います。 一度だけ、八甲田山近辺に行ったことがあります。時期は2月の末。 それでも雪が深く、雪かきをした道路以外には足を踏み入れる余地なんて少しもありません。 想像を…

大竹昭子「随時見学可」

日常の何気ない出来事が、いくつかの短編として描かれています。 読んだ後に、なんの話だっけ?と直ぐ忘れてしまいそうなくらい日常的。 しかしいくつかの物語には、その日常の中に非日常が隠されています。 例えば表題作「随時見学可」 ちょっとしたほころ…