2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーヴン・ウィット「誰が音楽をタダにした?」

2000年代初頭のことです。 使っていたポータブルMDプレーヤーが壊れてしまい、買い替えを考えていました。 電気屋さんで目に入ったのがiPod。 圧縮した曲を大容量のハードディスクに入れるとのこと。 自宅のMDコンポも調子悪いし、なんとなくMDの時代が終わ…

しなやか

しなやかとは、たおやかで優美、落ち着いてしとやかなさま。 憧れるものにはみな、それが含まれていることに今さら気付きました。 例えば… 高1からの親友の雰囲気もそう。 素敵だなと思う方々の話し方。 母がお湯呑みを持つ手の動きとか。 ゆったりなめらか…

小倉ヒラク「発酵文化人類学」

日々口にしている発酵食品。 味噌、醤油、チーズ、鰹節、納豆、ヨーグルト、紅茶・・。 意識せず微生物の恩恵にあずかっています。 一方で、湿度の高い季節はジャムやパンがすぐにカビてしまったりもします。 お風呂場も大変です。 かといって、もし地球上か…

2022年8月の予定

2022年8月の予定です。営業時間:10時頃~16時頃おやすみ:土曜日・日曜日 11日~17日書籍目的だけのご来店も大歓迎です。(タップorクリックで拡大します。)読書空間 ひつじ日和

椎名美智「「させていただく」の使い方」

昔のことです。 「させていただく」の使い方について指摘を受けたことがあります。 その時は何がダメなのかさっぱり分かりませんでした。 今は少し理解したつもりです そして少しでも違和感を持つ人がいる言葉は出来るだけ使わないようにしよう、と思いまし…

避暑地

信州で暮らし始めたばかりの頃、突然できた時間を持て余し、幼い娘と二人だけで季節外れの軽井沢に出掛けたことがあります。 ほんのひと駅ふた駅なのに、軽井沢という響きはずるいです。 夏の日が嘘のように誰もいません。 人混みは嫌いだからこれでいいのだ…

島田潤一郎「あしたから出版社」

「昔日の客」という本を手に取った時、そのたたずまいに魅了されました。 内容にも惹かれ、出版社にも興味を持ちました。 夏葉社。 ホームページを見るとシンプルだけれど誠実さが伝わりました。 「あしたから出版社」は、その夏葉社がどのようにして作られ…

「ポストコロナの生命哲学」

駅の券売機がタッチパネルになったのはいつ頃でしょうか。 さわってもなかなか反応しなくて、強く押しても仕方がないことは分かっていますが、それでもやっぱり強く押してみたりしました。 その後急速に、世の中がタッチディスプレイばかりになってしまいま…

ご褒美

はやる気持ちを抑えるのが大変でした。 近づくと冴えた青色の湖が薄暗い山道の木立からちらりとのぞきます。 まだかまだかと車を走らせても全体像が中々見えません。 たぶん私がいちばん興奮していたでしょう。 三年ぶりの富士山です。 やや酸欠ぎみで頂上か…

渡辺都「お茶の味」

東京から東海道新幹線に乗り車窓を眺めていると、熱海を過ぎたあたりから蜜柑とお茶の畑が目に入るようになります。 寒い土地に住んでいたせいか、初めてそれを見た時には南の国のようだと思いました。 静岡県はお茶の産地。 特に牧之原台地はお茶畑一色です…

「注文の多い料理小説集」

この本を読んでいて一人暮らし時代初期を思い出しました。 古めかしい喫茶店でのドライカレー。 安いのに食べきれないくらい量のある生姜焼き定食。 あまりお客さんがいないのに、注文してから30分以上待たされ、慌てて飲み下すように食べた丼もの。 個性の…

記憶

(神島) 記憶というのは曖昧です。 繰り返し思い出すから定着し、知らないうちに好きなように脚色しているだけかもしれません。 暁の寺の途中で止まったきり。 放置の豊饒の海。 何年経過してもちっとも読みたくならない。 邪道は承知で最後だけ、見てしまい…

ペーター・ヴォールレーベン「樹木たちの知られざる生活」

人間は樹木や森にとても癒されます。 酸素や二酸化炭素の交換以上に、何らかの交流がありそうです。 そして本書によると樹木同士も何らかのコミュニケーションを取っているそうです。 人間が想像もできないような方法で。 まだよく分からないこともきっとた…

柳田由紀子「宿無し弘文」

大学生の時、研究室に1台だけマッキントッシュがありました。 使い勝手はWindowsよりも良かったような記憶があります。 ただすぐにフリーズしてしまう弱点もありました。 それから数年後、スケルトンのiMACが発売され日本でも爆発的な人気に。 マッキントッ…

古代小麦

くるくる包まれた紙を開けてびっくり。 自然栽培、原種のスペルト小麦です。 手を加えられていない古代小麦は貴重なのだそうです。 調べてみると、ヨーロッパで七千年前から栽培と出てきました。 小麦価格上昇もどこ吹く風といった雰囲気。 とても力強さを感…

福岡伸一「ツチハンミョウのギャンブル」

人間は進化の過程でとても好奇心が旺盛になりました。 特に子どもたちは様々な疑問を常に抱え、解決することに楽しみを感じているのではないでしょうか。 本来は放っておいても自発的に楽しく学ぶはずです。 理由もなくただ詰め込むことは、楽しみを奪ってし…

武田砂鉄「紋切型社会」

先日フリーダイヤルの番号から電話がかかってきました。 子供用タブレット型教材の売込みでした。 ただ一方的に説明をするだけで、こちらが何を言っても聞いてくれません。 まさに紋切型です。 AIではないかと思ってしまうくらい。 紋切型の売込みでは、その…

御書印

何かの間違い?御朱印でしょ。 いえいえ、本当に御書印でございます。 開始店にしていただきますと、ただ今御書印帖を差し上げています。 全国350を超える書店で御書印をいただけるそうですよ。 書店に「何かひと言」も課せられています。 ひゃー、どうしよ…

原民喜「夏の花」

1945年8月、広島。 原子爆弾を体験した著者が、その前後の生活を記します。 一瞬の光の後、想像できないくらいすさまじい状況に陥ります。 生き延びたことが不思議なくらいに。 修学旅行で行った広島は、その傷跡はほとんど見られず、樹々たちが気持ちよく新…

海部陽介「日本人はどこから来たのか?」

自分や知人の顔についいて、縄文人系か弥生人系か、という「あそび」をしたことがあるかと思います。 性格も双方あるとしている場合もあるようです。 それはそれで面白いのですが、この本を読むとそれほど単純に区別できないことが分かります。 様々な時代・…

陰陽

(ぐるぐるをもうちょっとなめらかに) いつからか陰陽バランスの取れている状態の心地よさや、その秘めた力強さに惹かれるようになりました。 本書によると四季の移り変わりと同じように一日の中にも陰陽の変動があるとのこと。 それを一生繰り返していると思…

池上彰「知らないと恥をかく世界の大問題 13」

歳を重ねるにつれ、否応なく様々な経験をし、結果的に知識が深まっていくように思います。 知識が深まると以前より理解が容易になり、さらに知識を得やすくなります。 継続することの大切さはこの辺りにあるのではないでしょうか。 (もちろん何か弊害もある…