スティーヴン・ウィット「誰が音楽をタダにした?」

 
2000年代初頭のことです。
使っていたポータブルMDプレーヤーが壊れてしまい、買い替えを考えていました。
電気屋さんで目に入ったのがiPod。
圧縮した曲を大容量のハードディスクに入れるとのこと。
自宅のMDコンポも調子悪いし、なんとなくMDの時代が終わりを告げているようにも感じ、思い切ってiPodにしました。
 
当時圧縮音楽の音質についてネガティブな意見もありましたが、音質の違いが分かるほど耳が良いわけでもありません。
 
 
 
 
100年くらい前まで音楽は生で聴くことしかできませんでした。
中世の宮廷ではおかかえの楽団が存在しました。
音楽を記録できる媒体が登場し個人的な楽しみへ移行しました。
科学技術が進み保存方法はどんどん変化しました。
 
音楽を楽しむ人が増えると音楽を作る人も増えます。
結果的に1曲あたりの単価は下落します。
 
現在のサブスクリプションサービスの登場はそうした背景がありそうです。
 
 
2000年前後の音楽圧縮技術、ブロードバンド通信、PC性能の向上などから、音楽を取り巻く環境が激変します。
 
著者のウィットさんも圧縮音楽をびっくりするくらい所有していました。
その経験がこの本につながります。
激変の歴史を当事者を取材し紐解きます。
 
まるでミステリー小説を読んでいるようでした。
 
 
 
 
 
先日iPodの販売終了の発表がありました。
時間は否応も無く過ぎ去ります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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