2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夏越の大祓

思ふこと みなつきねとて 麻の葉を きりにきりても 祓へつるかな 和泉式部 読書空間 ひつじ日和

J.D.サリンジャー「このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年」

サリンジャーさんを知ったのは何時だったのでしょうか。 青と白のの表紙に猫の落書きが描いてあるあの本はいつの間にか本棚にありました。 そしてこの落書きがピカソの絵だと知ったのはだいぶ後になってから。 サリンジャーさんと言えば「ライ麦畑でつかまえ…

小屋

小屋暮らしを決断させたものは何だろう。オフグリッドってどこまで可能なのかな。費用や法律的なことはどんな感じ?小屋暮らしにまつわる様々な疑問が、少しは解決するかもしれません。そこに完全に住む人、アトリエ、二拠点生活…いろいろな方がいらっしゃい…

柳田国男「遠野物語」

八ヶ岳と富士山の背比べの話があります。 むかし八ヶ岳は今のような形ではなく、とても高い山でした。 ある日、富士山とどちらが背が高いかと言い争いになりました。 雨樋を両方の頭にのせ、水を流します。 低い方に水が流れます。 結果は富士山の方に水が流…

2022年6月の予定

2022年6月の予定です。営業時間:10時頃~16時頃おやすみ:土曜日・日曜日書籍目的だけのご来店も大歓迎です。(タップorクリックで拡大します。)ゴールデンボーダーというバラです。棘が少なく、扱いやすいとのことです。読書空間 ひつじ日和

阿部謹也「自分のなかに歴史をよむ」

歴史と簡単に言ってしまいますが、それをしっかり理解することはとても難しいと思います。 例えばある1日の出来事を完全に知るには1日必要です。 1年だったら1年。 そして視点が変われば解釈も変わります。 どう考えてもそんな時間はありません。 新聞やイン…

白洲正子「明恵上人」

「阿留辺幾夜宇和」という言葉を知ったのは、細川護熙さんの「ことばを旅する」という本でした。 魅力的な人たちの魅力的なことばを紹介しています。 明恵上人「僧は僧のあるべきやう。俗は俗のあるべきやう。(中略) このあるべきやうを背く故に一切悪しきな…

夏至

(水窪の清らかな水) 毎年この時期になると暑さや湿気をなんとかやり過ごす方法はないか悩みます。 どうせ付き合うのだからイメージだけでも良くしたい。 そんな時はイメージトレーニングの材料に、トラン・アン・ユン監督の映画「夏至」がぴったりです。 舞…

桜桃

予想どおり、あっという間にこどもたちに食べられてしまいました。 そして、太宰さんのことを考えて、少しだけせつなくなりました。 〈しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、食べては種を吐き、食べては種を吐き、そうし…

夏目漱石「硝子戸の中」

栞に少しこだわりがあります。 新しい本に最初から入っている出版社の栞は幅が広いし、ペラペラなので扱い難いです。 新潮文庫の紐の栞もなかなか良いのですが、すぐに先端がほどけてしまうことに不満が残ります。 最近のベストはこちら。 漱石山房記念館の…

お弁当

幼稚園のお弁当から解放されて数年、春から再び高校生のお弁当作りが始まりました。 4月のわずか数日間は多少の緊張感があり、スパッと起きることができたのですが。 慣れるのが早すぎて笑ってしまいます。 私にとって朝のまどろみは至福の時間です。 そちら…

望月衣塑子「新聞記者」

マスメディアへの信頼の低下の一要因に、権力への監視が弱くなっている、という理由があるような気がします。 それでも使命感を持って行動してる方もいらっしゃいます。 政治家がはぐらかしたり、逃げたりするのは何かがそこにあるからに違いありません。 ど…

露木和男「「やさしさ」の教育」

子どもたちの能力にはっとすることがあります。 隣の家の屋根にスズメが住み着いたことに気が付き毎日観察しています。 イモムシやカブトムシを買っていた時には詳細に動きを見ています。 ガーベラの花粉や木の切れ端を顕微鏡で覗いています。 セミの抜け殻…

田坂広志「直観を磨く」

田坂広志さんの本に出合ったのはいつでしょうか。 弁証法について目から鱗が落ちるような体験をしました。 これは田坂さん著作の集大成のような本です。 少し前に読んだ「思いがけず利他」の中で中島岳志さんは、「利己は自己を超えた力の働きによって動き出…

変化

若者とお話すると、彼らにとって変化が常であることがよくわかります。 前にお店にみえた時にはあんなこと。 今日はこんなこと。 くるくる興味の対象が変わり広がっていく。 豊富な話題にいつも元気をいただきます。 さすがに彼らのようにはいきませんが、 …

福岡伸一「ルリボシカミキリの青」

福岡ハカセが小学生に地球上の循環を説明する章が好きです。 まずは質問 「私たちの命の流れを見守り、その背中を絶えず押し続けてくれている暖かな力の存在があります。それはいったい何でしょう?」 そして実験 ・1週間に食べたものの量を計る。おおよそ15…

朝吹真理子「きことわ」

対照的な二人の女性が過去と現代を行き来します。 独特な言葉遣いと科学的な話題(古代生物、雪の結晶、月など)も少し関係ありそうな気もします。 雨けぶり闌けた(たけた)凝って(こごって)からがる暴れて(されて)疾く(とく)垂れる(しずれる)あえかなもの …

傘の忘れ物

(雨止みの桜ヶ池 龍神伝説があり遠州七不思議のひとつ) 傘の忘れ物がありました。 帰りには雨があがっていたからな…。 あわてて追いかけても姿は見当たらず。 そろそろ雨の季節だしお困りになるかも。 長くお使いになっているだろう立派な蝙蝠傘です。 ある…

ジャン=ポール・ディディエローラン「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」

電車で携帯電話を拾ったことがあります。 駅員さんに届けました。 逆に拾ってもらったこともあります。 財布、上着。 帽子やスーツは出てきませんでした。 忘れ過ぎですね・・。 早朝6時27分発の電車内から物語が始まります。 ドイツのルール地方で作られた…

桔梗

桔梗の蕾が風船みたいに膨らんできました。 英名はバルーンフラワーなのも納得。 特にお花好きの末っ子ちゃんに見せたいな。 そのうち彼女のスケッチブックに追加されることでしょう。 最近は花言葉を率先して教えてくれる小さな先生です。 愛読書はこちら。…

宮川禎一「鳥獣戯画のヒミツ」

人間の歴史は意外と浅く、しかもしっかりと記録として残っているのはごく最近であり、100年以上前のことは謎だらけなのではないでしょうか。 だからこそ想像の余地があります。 司馬遼太郎さんや原田マハさんの本を読むと広がる世界にわくわくします。 栂尾…