2013-01-01から1年間の記事一覧

yomyom2013

1年はあっという間です。 福岡伸一さんの本で、ある仮説が載っていました。 「歳をとると体内の入れ替わりスピードが遅くなっているので相対的に早く感じる。」 なるほど、だからここのところ毎年あっという間に感じる訳ですね。 2013年に読んだ本の中で、印…

佐藤雅彦「毎月新聞」

毎日新聞に毎月掲載された、佐藤さんのコラム。さすがの視点です。 どれもその通りと膝を打ちたくなります。 「この月の出来事」が文章の最後に載っていて、それをじっくり読んでみると現在につながる流れがしっかりあるんだなぁと思いました。 当時、それに…

田坂広志「使える弁証法」

さささっと読めちゃいます。 ただその分、理解をしっかり深める必要があります。 弁証法の以下の要点について分かりやすく解説しています。 ・事物の螺旋的発展の法則 ・否定の否定による発展の法則 ・量から質への転化による発展の法則 ・対立物の相互浸透…

伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」

スピード感を持って読めます。 これぞ伊坂さんの世界、という感じでしょうか。 2年前と現在を意識してよまないとこんがらがっちゃいます。 動物園の動物を開放したい、と願うところは「熊を放つ」を参考にしているように思います。 河崎くんのように、時には…

白洲正子「たしなみについて」

「文化とは、文化を作ろうと思ってつくるのではなく、小さなことの積み重ねが、後世になって文化と認められること」 という考え方に賛成です。 小さなことには、人間一人一人の行為が含まれます。 「何か深く考えるよりもまずは動きましょう」というのが白洲…

大塚寿「「資料をおくっておいて」と言われたらチャンスと思え!」

新規営業をする身としては、とても勉強になることがありました。 断られて当然から始まるのでストレスは高いですが、楽しいこともいっぱいあります。 営業についてはいろんな考え方があるとは思いますが、実践して、自分なりにフィードバックして行くことが…

村上春樹「そうだ、村上さんに聞いてみよう」

今まで参考書的に、ちょこちょこ拾い読みしていたのですが、はじめて端から端まで通して読んでみました。 奥が深いし、笑えるし、非常に興味深いです。 村上さんの個人的な考え方がとてもよく分かります。 質問する人も面白い人ばかりですね。 ホームページ…

角田光代「この本が、世界に存在することに」

出会えてよかったと思える本はありますか? 角田さんもあとがきエッセイでおっしゃっていますが、そういう経験のある人は本を読み続けるんですね。 本は心の蓄えをし、ある時は人を慰め、勇気付け、静かにそっと寄り添ってくれます。 そしてそれはその人の置…

川端康成「雪国」

雪の季節なので手にとってみました。 書き出しはあまりにも有名ですが、この歳になって初めて全部読みました。 時代のせいなのか、表現はとても豊かです。 誰もが読まなきゃいけない本か、と問われると、別に、と答えると思います。 読みたい人だけが読めば…

ベートーヴェン「弦楽三重奏 Op.3/Op.8」

ここ数年室内楽にはまっています。 特にベートーヴェンの室内楽って良いですね。 これは初期の作品ですので、モーツァルト的な要素もあると思います。 晩年のドラマティックな音楽も良いですが、こういう曲も好きです。 小さな音量だと読書が進みます。 ベー…

金田一春彦「ホンモノの日本語を話していますか?」

日本語っていつも話しているのに、実は良く知らないんだな、と思いました。 言葉の成り立ち、単語の作られ方、興味深いものがあります。 それから日本人にとっての月への愛着度。 月を眺めて、昔を想いましょう。 正しい日本語を話さなければ、と、年齢を重…

坂本龍一「音楽は自由にする」

坂本龍一さんの自伝的な本です。 坂本さんに関することはあまりよく知りませんでした。 今まではなんだか高尚な方、というイメージでしたが、そればかりでもありません。 NHKで「音楽の学校 スコラ」という番組があり、坂本さんが音楽について解説していまし…

ドミニック・ローホー「「限りなく少なく」豊かに生きる」

物を所有しないことはとっても気持ちの良いことです。 それを使わないと出来ない事というのは、本当はそれほど無いのかもしれません。 工夫をして生活していけば良いのです。 情報や人間関係においても同じことが言えそうです。 すっきりしますよね。 向き不…

黒岩比佐子「伝書鳩 もうひとつのIT」

かなり昔ですが、確かダウンタウンの番組かなんかで「今どき伝書鳩なんて」みたいに笑いを誘っていたことがあったように記憶しています。 そのくらい現代では、ハトさんで通信するなんてあり得ないことのように思われています。 ぼくもそう思っているうちの…

饒村曜「静岡の地震と気象のうんちく」

図書館で偶然手に取った本です。 静岡県のことを歴史を含めて、とても良く調べていらっしゃいます。 へえ~、と思うことも多く、書かれているいくつかの場所には行ってみたいと思いました。 静岡県は、地震に関しては人ごとではありませんし。 天竜10号って…

落葉

福岡伸一さんの本「遺伝子はダメなあなたを愛してる」を読みました。 福岡さんは分子生物学者ですが、映画とか本とかの知識も豊富で、読んでいて本当に面白いです。 その本の中で、菱田春草さん絵の「落葉」について触れているところがありました。 文章だけ…

白洲正子「木 なまえ・かたち・たくみ」

木に関する豆知識がいっぱいです。 今までどれだけ樹木たちを疎かにしていたか。 もっとちゃんと観察しなければいけません。 敬意と共に。 大きな木には何かひきつけるものがあります。 信濃は”榀”(しな)から来ているんですね。 シナの木がいっぱいあるから…

坂本龍一「非戦」

2001年、WTCビルへのテロ、それに続きアメリカが何の根拠もなくアフガニスタンへ進攻を始めました。 その出来事について、様々な人が考えます。戦 争について。平和について。 無条件に戦争はいけません。 「現在の世の中で非武装の人にひどいことをする国は…

福岡伸一「遺伝子はダメなあなたを愛してる」

すっかり福岡さんにはまってしまいました。 Q&A形式で進みます。 生物学的根拠に基づいているので、一般的な回答とは異なり非常に新鮮です。 それに加えて、文学や芸術方面も重ねてくるのでまいってしまいます。 「ピーマンが苦手」という質問に「わたしを離…

村上春樹「村上ラジオ2 おおきなかぶ、むづかしいアボカド」

アボカドの食べ頃は分かりにくいですね。 良いかとおもったら繊維が入っていたり、硬かったり。 醤油を付けて食べる方法が一番好きです。 アボカドを発芽させようと思って、水耕栽培をしました。 根っこまでは出るんですが、その後が・・。 気分転換に良い本…

カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

5年ぶりくらいに読みました。 設定が哀しすぎます。 それでも生きていくしかありません。 トミーが良い味を出していますね。 こんな世の中は来るのでしょうか。 卵子の凍結とか、もしかしたら、という予兆はあります。 わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫…

愛新覚羅溥儀「わが半生」

生まれた時代のせい、と言われればそれまでなのですが・・・。 皇帝という実態のないものにとらわれ、執着し、それがために日本に利用されてしまう。 しかし、戦犯として収容されていた時に、気付きます。 自分には何の能力もなく、ただ権力を振り回していた…

藤原正彦/小川洋子「世にも美しい数学入門」

こんなに分かりやすく数学を解説している本は無いのではないでしょうか。 お二人ともどんな立ち位置で話したら良いか分かっている気がします。 その分、分かりやすくなっているのでは。 友愛数、完全数、ゴールドバッハ問題 など知りたいと思いませんか。 そ…

枡野浩一「淋しいのはお前だけじゃな」

短歌と、それにまつわるエピソードが書かれています。 そのエピソードがちょっとせつないんです。 きっと枡野さんはロマンチストですね。 誰もがこの感じを理解できるのではないでしょうか。 ぼくもいろんなことを思い出しました。 淋しいのはお前だけじゃな…

福岡伸一「動的平衡」

分子生物学者である、福岡伸一さんが、独自の視点で様々なことを書いています。 動的平衡とは何か。 状態を維持するために絶えず分解と合成を繰り返します。 動的平衡の考えは組織にも適用可能です。 これが上手くできる組織は非常に強い。 また、分子生物学…

満州国皇帝の自伝

前回ラストエンペラーに関する事を書きました。 ラストエンペラーは、本人(溥儀)の手記「わが半生」を基に作られていることを知り、早速「わが半生」を読みました。 皇帝からの凋落、戦争への利用、敗戦、捕虜、戦犯。 3歳で皇帝に即位し、普通の人では体験…

2013 秋

数年前、NHKでやっていた音楽の学校「スコラ」を偶然見ました。 坂本龍一さんが、音楽について分かりやすく講義をしている番組です。 バッハからロックまで。非常に楽しく学べる内容でした。 最近、坂本龍一さんの自伝「音楽は自由にする」を読みました。 そ…

yomyom2012

2012年に読んだ本の中で、印象に残ったものを紹介します。 モーパッサン「モーパッサン短編集」 岩波文庫です。面白いテーマがたくさんありました。 モーパッサン短篇選 (岩波文庫) 作者:モーパッサン 岩波書店 Amazon 小澤征爾「ボクの音楽武者修行」 なる…