2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ダン・ブラウン「天使と悪魔」

かつて病気の対処方法として瀉血が行われていました。瀉血とは大量の血液を体外に排出することで病気を改善する治療法です。現代の医療ではなかなか想像の出来ない方法ではないでしょうか。 加持祈祷の類も同じです。どんなに祈ってもそれを改善してくれる人…

2023年7月の予定

2023年7月の予定です。 営業日 水、木、金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ 土、日、月、火曜日 読書空間 ひつじ日和

憤慨

(ホッパーさんの絵がいい雰囲気) ふたりの出会いはこんな感じ。 〈あなたはロマンティックな年代に属してらっしゃいますわね。五十歳。二十五歳の人は世知にたけているだけ。三十歳は働きすぎて疲れている。四十歳は葉巻が燃えつきてしまうくらいに話すこと…

庄野雄治「融合しないブレンド」

コストパフォーマンス、タイムパフォーマンスの高さ、要するに効率の良さが求められる現在。そこからとてもかけはなれたところにいらっしゃる庄野さん。だからこそ心に染み入る何かがあります。 夕方の一日が終わってしまう淋しさと、夕焼けの暖色から感じる…

服部雄一郎、服部麻子「サスティナブルに暮らしたい」

人類がこのまま浪費生活を続けていたら地球はどうなってしまうのでしょうか。自然災害の甚大さはその影響を受けている可能性があります。太陽からの恵みを短時間で消費尽くしてしまい、結局物不足に陥り、紛争につながってしまうかもしれません。 そんな状況…

日本の夏

5月にみんなで手摘みした新茶を頂く会に、オクシズ志田島園さんへ遊びに行きました。「ああ、日本の夏」って感じの縁側。涼しげな氷出しのお茶は初めて。貴重なマイ手摘み茶の味は格別で、感謝して頂きました。 最近は声変わりして低音ボイスになりクールな…

司馬遼太郎「街道をゆく9 信州佐久平のみち 潟のみちほか」

おおよそ半世紀前、司馬遼太郎さんが佐久平にやってきました。上田に入り、海野宿、小諸を経て、佐久平へ。 土地の歴史、地名の由来など、かつて住んでいたのに何も知らなかったことを痛感します。あの何も育たなそうな土地で何世紀も人々が生活しつづけてい…

中村圭志「亜宗教」

人間には想像するという能力があります。他の動物には無さそうなので、特殊能力と言って良いかもしれません。想像力があるからこそこの世界は豊になりました。文化、科学、芸術その他、全て想像力の賜物です。 一方想像力があるからこその弊害もいくつかあり…

群れ群れ、蒸し蒸し

(雪岱←せったいと読むのね〜) いつだったか資生堂アートハウスを訪ねた時のお土産のポストカード。群れ群れな和傘と雨の線。資生堂にゆかりがあるという小村雪岱さん。どんな方なんだろう。その随筆集をみつけたので読んでみました。 描くにあたり雪岱さんの…

大問題

突然洗濯機が壊れたらどうしますか?コインランドリーを探すか、手で洗うか。 一度止るとどんどんたまってしまう夏の洗濯もの。 先日その恐怖がやってきてしまいました。排水が出来ていないために止ってしまうトラブルです。 排水のホースが詰まっていること…

早見和真「店長がバカすぎて」

人は多様性に満ちている生物だと思うことがあります。心の距離感や物理的距離感の相違、おそらく共通して持っているであろう前提のズレ。これらを原因としたすれ違いも生まれます。例えば穏便にすませようとして、いろいろ考えて伝えた言葉を真逆に理解され…

マチネ

「平野啓一郎が好きなんです。」 お会計の際に小さな告白がありました。よく知らないし読んだこともなかったのですが、それをきっかけに図らずも読んでしまいました。長い名前好きですしね。 「マチネの終わりに」 いつからか物語にあまり興味がわかなくなっ…

大石直紀「美しい書店のある街で」

もし好きな本屋さんを1つ挙げてください、と言われれたらどのお店が頭に浮かぶでしょうか。全国で統計をとったら上位にランキングされること間違い無しの恵文社さん。もうすぐ創業50年だそうです。 その恵文社さんが登場する短編集。京都、一乗寺にある個性…

羽根田治「山はおそろしい」

山は自然の驚異がダイレクトに人間に影響を及ぼします。雷、雪、気温などの天候、熊、蜂などの生物。それに知識や装備、日程や体調、性格等も複雑に影響し、まさかと思うような状況で遭難してしまいます。 静岡県では軽装での富士登山が毎年報告されています…

かこさとし「未来のだるまちゃんへ」

「だるまちゃんとてんぐちゃん」の絵本を読んだのはいつだったのでしょうか。友だちの真似をしたがるだるまちゃん。それに応えようとするけれども空回りのうっかりだるまどん。驚きの解決方法。 子どもの心に何かを訴える作品を描き続けたかこさとしさんの自…

願い事

笹の葉に包まれた涼しげなお菓子のおかげで七夕らしいおやつの時間。 おや?短冊もどきに願い事をしてあるのを発見。「みんな元気に過ごせますように」なんて、なかなか風流なことしてくれるじゃないと思っていたら、裏にも発見! (こちらは表) (裏には…) ど…

PARIS TAXI

ある晩、パリのタクシー運転手さんのドキュメンタリーを観ました。どの街のタクシーにも素敵な人間模様はあるはずですが、パリの街は舞台装置としてやはり魅力的ですね。気になったついでに翌日の朝一、映画「PARIS TAXI」に出掛けてきました。 時間が合うと…

ベア・ジョンソン「ゼロ・ウェイスト・ホーム」

数年前子どもたちとウミガメの勉強会に参加したときです。砂浜にプラスチックがどのくらい埋まっているのか体験しました。適当に砂をすくってふるうと、かなりの量の小さなプラスチック片が出てきます。世界中の砂浜がこんな状況だと考えるとゾッとしました…

平野恵理子「五十八歳、山の家で猫と暮らす」

小さい頃、八ヶ岳を見ながら学校に通っていました。冬のよく晴れた朝にはなぜかとても近くに見えました。盆地の対角線にあるその山は、もし一つの山であったらとてつもなく高かったに違いありません。八ヶ岳の麓を良く通るようになってからも、なんとなく惹…

ジュリアン・ロイド・ウェッバー「パブロ・カザルス 鳥の歌」

自由と平和を希求したチェリスト、パブロ・カザルス。ファシズム政権を批判し、空襲の最中でも逃げずにバッハを弾き続けます。 カザルスは「芸術家には自由と何者にも束縛されない探求が必要だ」と言います。「芸術家の責任は重い」とも。その理由は「特別な…