2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

橋本武「解説 百人一首」

娘が百人一首を学校で習い始めました。 ぼくも復習しようと思って読みました。 昔しっかりやっておかなかったことを後悔します。 今読むとどれも面白いですね。タイムマシンがあったら当時の自分に教えてあげたい。 31文字程度でいろんなことを表現するのは…

中原みすず「初恋」

当時を騒がせただろう3億円強奪事件は、主人公が進んで選んだ通過点に過ぎません。 それよりも、それまでの人生、それからの人生、家族、友人との関係が非常に重要なものです。 これらの物語がパズルのピースのように少しずつはまっていきます。 5年くらい前…

吉田修一「初恋温泉」

いろんな背景を持った人たちが温泉へ向かいます。 温泉は彼らを救うのか。 温泉は同性どうしでゆっくり入る方がむいているように思います。 あ”-とか言いながら。 初恋温泉【電子書籍】[ 吉田修一 ]価格: 385 円楽天で詳細を見る 吉田修一「初恋温泉」 読書…

枡野俊明「怒らない禅の作法」

怒らないため、だけでなく、成熟した生活を望むのであれば必要なことだと思います。 任運自在 啐啄同時 本来無一物 日々、自分の行動を確認していきたいと思います。 怒らない 禅の作法 (河出文庫) [ 枡野 俊明 ]価格: 572 円楽天で詳細を見る 枡野俊明「…

野坂勇作「しもばしら」

しもばしらだよ、と教えて、二人でざくざく。 土の中に氷ができるんだよ、と教えたけれど、そういえば詳しいことは何一つ知りませんでした。 昔、あんなにざくざくやったのに。 土がポイントなんですね。 それから、外気は冷えても地中は水分が凍っていない…

芥川也寸志「ぷれりゅうど」

家内が持っていた古いクラッシックレコードの解説を、芥川也寸志さんが書いていました。 子供向けの文章なのですが、分かりやすく、とても好感が持てました。 図書館の音楽関連の棚に、なにやら光って見える本があるな、と思ったら芥川さんでした。 芥川龍之…

吉本ばなな「TUGUMI」

映画も何回も見て、もちろん本も何度か読みました。 懐かしいの一言に尽きます。 西伊豆という場面設定、人物の特徴あるキャラクター、ノスタルジックな内容、どれも好きです。 そういえば、これも穴を掘る本でしたね。 Tugumi つぐみ (中公文庫) [ よしも…

村上春樹「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」

今までインタビューをいくつか読んだことある方であれば、繰り返している内容も多々あります。 ただ600ページ弱もありますので、考え方が定着します。 それにしてもそんな質問なんでするんだろう、と思うようなインタビュアーもいます。 少しだけ知っていて…

堀江敏幸「雪沼とその周辺」

雪沼をめぐる7つの物語。 個性的な登場人物が静謐な時間を過ごします。 小さいことは良いことだ、と思える本です。 5レーンしかないボーリング場。 長屋のレコード店。 特徴のない中華料理屋。 雪沼心は豊な人達の住む街ですね。 雪沼とその周辺 (新潮文庫 …

横田庄一郎「「草枕」変奏曲」

グレン・グールドが夏目漱石を読んでいたんですか。 どういう経緯で?と思い読み始めました。 グレン・グールドが繰り返し読んでいたという、「草枕」の解釈と、 グレン・グールドの逸話がメインの本です。 「草枕」の解釈はぼくには難しすぎてよくわからな…

福岡伸一「生命と記憶のパラドクス」

知識の獲得は、大人になってからが本当に面白いと思います。 そういう面白さのネタを福岡さんは提供してくれます。 そのネタからどんどんいろんなことが広がります。 例えば、エウスタキー管。 例えば、遭難者の生存時間について。 楽しいですね。 生命と記…

三島由紀夫「金閣寺」

最初に読んだときは、もっと衝撃的でした。 今回は全容を知っている分だけ、細部が非常に難解に思えました。 仏教的知識が不足しているためです。 それでも金閣寺の美しさに囚われ、世の中を厭世的に感じ、 その結果火を利用してしまうところは、理解できる…

村上春樹「レキシントンの幽霊」

どれも好きですが、「沈黙」「トニー滝谷」が特に良いですね。 人間の心の奥深いところにある、澱のようなものがうまく表現されています。 何度読んでも新しい発見があります。 「沈黙」は考えさせられますね。中学生くらいから読んでおくべきかと思います。…

井上靖「孔子」

弟子の蔫薑(えんきょう)が、30年も前の孔子との日々を思い出し、 孔子を研究する人たちと、孔子について語り合います。 論語は読んだことがありませんが、孔子という人を知るための良い入門書だと思いました。 仁とか信とかの、孔子の考え方を深めて行くのに…