堀江敏幸「雪沼とその周辺」

 
雪沼をめぐる7つの物語。
個性的な登場人物が静謐な時間を過ごします。
小さいことは良いことだ、と思える本です。
 

 

5レーンしかないボーリング場。
長屋のレコード店。
特徴のない中華料理屋。
 

 

雪沼心は豊な人達の住む街ですね。
 
 

堀江敏幸「雪沼とその周辺」

 

 
分解して組み立てられるくらいの、単純だが融通のきく構造が、機械にも、社会にも、人間関係にも欲しい。
単純な構造こそ、修理を確実に、言葉を確実にしてくれるのだ。
 

 

単純なこと、明快であることを、効率のよさととりちがえている人間が多すぎる。効率がいいからといって、物事が単純になるとはかぎらないのに。
 
 
 

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