2009-01-01から1年間の記事一覧

名月を

名月を 取ってくれろと 泣く子かな 一茶 取れないので、撮ってみました。 読書空間 ひつじ日和

博士の本棚

小川洋子さんのエッセイから。 江戸時代には、爪楊枝だけを商いにして生活しているお店があったそうです。 お箸も湯飲みも醤油差しもなし。 ひたすら爪楊枝だけ売る毎日。 それからヨーロッパの都市にも、今でも自分には無関係だと思われるお店が多いとのこ…

もし、世界中が雨だったら・・

梅雨はまだあけないのかなぁ。 「逃げることだってできたのに」「逃げる?」 「そうです。雨が降ったらひとは軒下に逃れます。それと同じこと」 「でも、世界中が雨だったら?」市川拓司「世界中が雨だったら」 世界中が雨だったら【電子書籍】[ 市川拓司 ]…

収集者

小川洋子さんが、あるエッセイで好きな小説のことについて触れていました。 その一つがレイモンド・カーヴァーさんの「収集者」。 印象的な短編なので、なんとなく勝手に親近感を覚えてしまいました。 「スモーク」という映画を見ました。 ポール・オースタ…

くっすん ふたたび

先日、くっすん大黒のことを書きました。 大黒さんと、ゴミ捨て場が関係するおはなしです。 朝、近くを歩いていると、あるゴミ収集所の前に、なにやら怪しい物体が。 よく見ると、なんと大黒天さんではありませんか。 くっすん大黒が本当になったようなお話…

村上春樹「アンダーグラウンド」

1994年6月。 独り暮らしの部屋でそのニュースを聞き、怖くなって急いで窓を閉じました。 その日はもう夏のように暑く、エアコンのない部屋の窓を全開にしていたのです。 サリンという殺人的なガスを知ったのはその数日後でした。 1995年3月。 九州にとんこつ…

探しています。

犬、猫、鳥、亀など、出て行ってしまったペットたちを、必死の思い出探しているだろうと思われる張り紙を全世界から集めた本があります。 ペットを見つけたお礼が100万円もしたり、金額で愛の重さは履かれないけれど、それでも大切にしていたのだろうという…

くっすん

本のタイトルですが、いつも間違って読んでしまうものがあります。 町田 康 さんの「くっすん大黒」。 内容を読めばわかるのですが、「くっすんだいこく」が正解です。 でも、どうしても「くっすんおおぐろ」と読んでしまいます。 ぼくらが大学生の時に、一…

ひつじと執事

以前「あおば荘の羊」という本をいただきました。 簡単に言うと、ひつじが執事にしてください、とお願いに来るというお話しです。 執事と気軽に使ってしまいますが実はどんな職業かご存知でしょうか。 カズオ・イシグロさんの「日の名残り」を読んで、やっと…

吉田篤弘78

レコードは、実はあまりなじみがありません。 自分自身でレコードを買った事がないし、レコードプレーヤーも持っていませんでした。 友達から借りたレコードを、カセットテープにダビングする時には姉のプレーヤーを借りました。 あの小さな町で、どこでみん…

ティム・オブライエン「ニュークリア・エイジ」

1990年代アメリカ。 ウィリアムは、地球に傷をつけ続ける。 何かに取り憑かれたように、そして、娘に気違いと言われても。 なぜそうしなければならなかったのか。 それは1960年代という時代が大きく関係します。 ベトナム戦争の事は、話しには聞きますが、あ…

アクトシティ物語

はじめてアクトシティを見たのは、もう16年くらい前になります。 その日は親戚の結婚式で、浜松の名鉄ホテルに来ました。 あちこちに不発弾の撤去のお知らせがあり、それは数日後に実施される予定でした。 戦後、紆余曲折を経て、国鉄から買収した土地が今の…

ハリネズミ

だいぶ暖かい日が続きます。 あと一、二回、突然寒い日が来るのではないでしょうか。 「優雅なハリネズミ」を読みました。 ハリネズミのように武装した、アパルトメントの管理人さんと、その住人のお話です。 哲学的なところは難しかったのですが、いろいろ…

唐人物語

夜、バスに乗っていた時、あるビルの部屋が見えました。 そこはある知らない会社の会議室で、新入社員であろう二人と先輩社員が打ち合わせをしていました。 これから始まる会社生活のあれこれを話していたのかもしれません。 隣のビルの会議室では、ノートパ…

チェリー

何年か前、まだ埼玉に住んでいた時、小さな公園で花見をしたことがあります。 それは、近所の子供たちが元気に駆け回り、片隅に簡易式のトイレがあり、近所の工事車両がその脇に駐車してあるような、きっと全国に100個はあるだろうと思われるような公園でし…

誰も教えてくれない

先日、カプチーノを飲んだ後の、カップの底にある動物が現れました。 カプチーノ占い+動物占い。 そして一瞬、ある本の猫のイラストに近いと思ってしまいました。 そういえば、小さい頃飼っていた、黒い猫は、歳をとるとともに家出の時間が長くなり、そのう…

明日ありと思う心のあだ桜

最近、特に洗い物中に、事故率が上昇しています。 よくものを割ってしまいます。 ガラスの計量カップお皿 5枚くらいコーヒーカップ湯のみコーヒーサーバー砂糖入れはかり・・ はかり は水没によるものです。 武者小路実篤さんの「友情」に、親鸞さんの句があ…

WBC

3年前の春、はじめて”ワールドベースボールクラッシック(WBC)”が開催されました。 当初、全く注目されず、それでも崖っぷちから日本が決勝に進んだことから、最終的にとても注目されました。 特にイチローの喜びがクローズアップされたように思います。 イチ…

先日の記憶

厨房機器を買いました。 請求書が届き、すぐに支払おうと思い、パソコンを立ち上げます。 ネットならすぐに振り込みが出来て便利です。 銀行のサイトにログインし、振込先を決定し、金額を入力。 よし。 そして、振込のパスワードを要求されました。 そんな…

ずんずん歩く

宮田珠己さんは、ときどき発作的にずんずん歩くそうです。 ある日、突如京都まで10時間かけて歩いたとか。 ぼくもよく歩きます。 会社員をやっていたときは、早めにあがり、家まで歩いた事もあります。 測った事はありませんが、結構な距離でした。 今もた…

桜の樹の下には

梶井基次郎さんの「桜の樹の下には」に出てきますが、 桜の樹の下には屍体が埋まっている、ということです。 「深い河」を読んで、はっとしました。 ヒンズー教では、死体を焼いた場所に樹を植えるそうです。 それが日本に伝わったのでしょう。 吉野の山の桜…

桜の森の満開の浜松城の下

現在の浜松城の桜はこの程度のつぼみです。 桜の季節は待ち遠しくなります。 桜が咲くと、少し楽しくなりますが、反面せつない気持ちもあります。 「桜の森の満開の下」で、男が落ち着かなかったように。 今年はどんな桜が咲くんでしょうか。 桜の森の満開の…

心の貯金

お店に、たまにですが、小学生、中学生のお客さんが来ます。 親子でではなく、一人、もしくは友達と。 とても嬉しくなります。 そして驚く事に、すごくよく本を読んでいます。 ぼくよりもずっとたくさんの本を。 世間で言われている活字離れは、大人が売り上…

夢について

病気の時に見る夢って、何か変じゃないですか? ぼくの場合、熱にうなされている時にに限って、大きな灰色の球体が出現します。 その球体はどんどん大きくなって、押しつぶされてしまうんです。 たまに球体の上に乗っかったり。 それから、小さい頃は、自然…

古田靖「アホウドリの糞でできた国」

この鳥、ご存知でしょうか。 最近、浜松の市街地でよく見るんです。 名前も知らない鳥。 飛ぶよりも歩いたほうが(走ったほうが)早いくらいちょこまかと動きます。 そのうちこの鳥に占領されてナウル共和国のアホウドリみたいになってしまうのでしょうか。 …

雪の朝

浜松は雪がほとんど降りません。 十数年暮らしていて、積もったのは2回程。 しかも朝8時には溶けてしまっています。 それなりに寒いのですが・・。 雪にはいろんな思い出があります。 落ちてくる雪を見上げたり、雪かきをしたり、雪の固まりを蹴りながら登校…

しらすパン

パンの話しをしていて思い出した事がありました。 小学校の時です。 給食は素朴で美味しいコッペパン。 ある日、そのコッペパンの中に何かが入っていました。 白と微妙に黒があります。 しらすっぽいな、と思い、勝手にしらすパンだと思って食べました。 途…

猛スピードで父は

冬の朝は布団の中が幸せ過ぎて、起きるのが大変です。 冬の布団マジック。 寝坊してしまいます。 寝坊で思い出した事が一つ。 小学校のときスピードスケートをやっていました。 その日は記録会があったのです。 年に数回ある大会はタイムの早い人しか出られ…

丑年でもひつじ日和

あけまして、おめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願い致します。 そして、大晦日にご来店いただきました皆様、本当にありがとうございます。 年越しの瞬間、東京タワーで妹にぐるぐる回ってもらうことはできませんでしたが(そういえば妹がいない…