小川洋子さんのエッセイから。
江戸時代には、爪楊枝だけを商いにして生活しているお店があったそうです。
お箸も湯飲みも醤油差しもなし。
ひたすら爪楊枝だけ売る毎日。
それからヨーロッパの都市にも、今でも自分には無関係だと思われるお店が多いとのこと。
勲章屋、標本屋、楽器修理屋、古絵葉書屋・・・。
本当にそこを必要としている人だけが、そこにたどり着けるお店。
なんとなく、心地よいものが漂っていそうですね。
大きなものが、さらに大きくなろうとする世の中ですが、こっそりとどこかの誰かにフィットするお店になれたらいいなと思いながら、ページをめくりました。
それにしても、小川さんは沢山本を読んでいらっしゃいます。
読みたい本、読み返したい本がまた増えました。
小川洋子「博士の本棚」
読書空間 ひつじ日和