2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

紅茶の話

過去には珈琲の話、最近ではお茶の話1、2とくれば、お次は紅茶のお話です。 20年近く前になるでしょうか。東京のある紅茶店のお教室に、少しの間通ったことがあります。ちょっと背伸びをして、マダムたちに混ざって。パンやお菓子も教えて下さるので、焼きあ…

井上靖文学館編「教科書で読んだ井上靖」

先日ふと「巽辰吉(たつみたつきち)」という名前が思い浮かびました。 ”たつ”が重複するためか、なぜか印象に残る名前です。 高校の現代文の教科書に登場した人物であることは覚えていましたが、その物語の内容も、誰が書いた文章なのかも全く覚えていません…

安野光雅「絵のある自伝」

安野光雅さんの「旅の絵本」シリーズは、見れば見るほど発見があり、子どもだけでなく大人も楽しめる絵本です。 エッシャーを感じさせる何かもあります。 そんな安野さんが自伝を書きました。 津和野での幼少期。 戦争時代。 就職、結婚。 作品とそれにまつ…

須賀敦子「塩一トンの読書」

塩一トンとはどのくらいの量なのでしょうか。 計算をしてみると77cmx77cmx77cmの正方形です。 これを消費するにはどのくらいの年月が必要なのでしょうか。 1日5g(WHO目標)とすると548年。 5人家族でも110年。 気が遠くなるほどの量です。 「一人の人を理解す…

マッシュアップ

なんとなくいいなと感じた響き。ちょこちょこお目にかかっていたけれど、正確にはどんな意味なんだろう。気になったので調べてみました。 元は音楽で二つ以上の曲を合成して新たな曲にすること、I T用語では、複数の異なる提供元の技術やコンテンツを複合さ…

福岡伸一「せいめいのはなし」

福岡伸一さんの対談集。 主に動的平衡をテーマにおはなしをします。 内田樹さん 川上弘美さん 朝吹真理子さん 養老孟司さん みなさんご自分の専門分野と動的平衡の関連を熟考します。 ことばにすることが大変なのでしょう。 なかなかイメージすることが困難…

原田マハ「モダン」

回転するところに使われる機械要素部品、ボールベアリング。 インラインスケートをしていた小学生高学年の頃、たまにボールベアリングのメンテナンスをしました。 当時はまだボールが見える構造で、灯油で洗った後にグリスをたっぷり塗り込みました。 ボール…

2023年2月の予定

2023年2月の予定です。 営業日:水・木・金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ:土・日・月・火曜日 2月8日の営業時間は10時~13時です。 書籍目的だけのご来店も大歓迎です。 (タップorクリックで拡大します。) 読書空間 ひつじ日和

対峙

物と向き合うこと、人と向き合うこと。対峙するのが怖い時もあると思います。 どんな人生の難問も「突き詰めたら親との関係性にヒントがある」と、どこかで読んだことがあります。 「親の家を片付けながら」 共感できること。違う受け取り方だなと感じること…

ナカムラクニオ「本の世界をめぐる冒険」

人類の最大の発明は「ことば」ではないでしょうか。 そして最大の進歩も「ことば」やそれを発する仕組みだと思います。 「ことば」があるからこそそれまで蓄積してきた何かを最短で習得することができます。 ナカムラクニオさんは「ことば」を誰かに伝えるの…

磯田道史「無私の日本人」

浜松にも縁のあった磯田さん。 武士の家計簿は読んでびっくりの作品でした。 この本は江戸時代に生きた3人の魅力的な人物の生涯を描いたものです。 穀田屋十三郎 中根東里 大田垣蓮月 人々の幸せを追求しました。 上杉鷹山しかり、二宮尊徳、石田梅岩しかり…

小林秀雄・岡潔「人間の建設」

小林秀雄さんと岡潔さんが対談しました。 昭和40年、西暦1965年です。 58年前。 当時の雰囲気はわかりませんが、凄い二人の対談、というイメージです。 序盤から辛口です。 世界の知力が低下しているという気がします。日本だけはなく、世界がそうじゃないか…

e-Taxエラー

e-Taxで確定申告をしていて最後にエラーが出てしまいました。 会計ソフトからe-Taxにログインし書類を送信しますが、完了せずエラーとなります。 「電子証明書の登録時に致命的なエラーが発生しました。(MSG0000036F)」 「致命的なエラー」って、どきりとし…

分水嶺

(野辺山高原平沢峠) えっ、川が逆向きに流れてる!長野と浜松を行き来し始めの頃に突如わいた謎。もちろんよく考えればわかるのですが、太平洋側に生まれ、感覚的に川は北から南に流れるものと育ったので、一瞬混乱してしまいました。 雪山は永遠の憧れ、さ…

柴田元幸「死んでいるかしら」

柴田元幸さんの翻訳した本は、言葉の選び方や文章の流れなどがとても吟味されているのではと思うほど読みやすく、原作者の評価も上げていると思います。 柴田さんの翻訳でなければ、これほどポール・オースターを読んでいない可能性もあるほどです。 とても…

高橋源一郎「「読む」って、どんなこと?」

学生時代の国語の授業は少し苦手でした。 明確な理由を挙げることはできませんが。 もしかしたらそれは自由ではなかったからなのかもと今であれば思います。 何かを読むという行為は個人的なものであり、こうあるべきとかこうなくてはならない、というものは…

老眼

(添付文書、約款は苦手、注意書きも…) 視力で年齢的なものを感じることが多くなりました。足を深爪してしまった失敗も、見えにくさと億劫さを表しているのかもしれないと笑ったところです。 コンタクトレンズの定期検査では、お兄さんが調整の手始めに矯正の…

原田マハ「常設展示室」

絵画小説という分野があるかどうかは知りませんが、この分野においては第一人者の原田マハさん。 得意なものを二つ組合わせたら最強です。 ピカソ、ゴッホ、マティス、フェルメールなどの絵が登場しますが、一番心惹かれるのは東山魁夷さんの「道」です。 レ…

原田ひ香「三千円の使いかた」

現在の日本のように高度化した資本主義経済社会では、生きていくための最低コストが発生します。 年金や健康保険がそれに該当します。 水道光熱費も限りなく近い存在です。 金銭についてはできればあまり考えなくて良いに越したことはありませんが、そういう…

恋しくて

こどもの付き添いで隣街へ行った時のこと。ぽっかりできた空き時間を、その街の小さな図書館で待つことにしました。 知らない街の初めての図書館。わずかなドキドキ感のせいか、いつもは選ばない本に手が伸びました。 「恋しくて Ten Selected Love Stories …

山口由美「考える旅人 世界のホテルをめぐって」

世界のホテルを巡り考え、発信し続ける山口由美さん。 それもそのはず富士屋ホテルの創業家のご出身です。 富士屋ホテルといえば、あのジョン・レノンが宿泊したことくらいしか知りませんでした。 ホテルの歴史はそのまま世界の歴史につながります。 オリン…

亀山郁夫「人生百年の教養」

ロシア文学者、翻訳者であり、外国語大学の学長を歴任されている亀山さん。 教養について熱く語ります。 迷いながらもご自身の経験と重ね合わせ、教養周辺の話題を取り上げます。 教養について考えてみます。 備えておくべき基本的な知識、みたいなイメージ…

吉田篤弘「つむじ風食堂と僕」

確か小学校の卒業文集の中の「将来何になりたいか」という欄に「本屋」と書いた記憶があります。 それは積極的なものではなく、特に何もなりたい職業も思いつかず、当たり障りのないものを選びました。 それなのにこうやって本を売っているなんて奇妙なもの…

福岡伸一「ゆく川の流れは、動的平衡」

佐鳴湖畔を歩いているとカワセミを見かけることがあります。 鴨江寺の池でもたまに遭遇します。 カワセミの漢字は「翡翠」。 宝石のヒスイ(翡翠)と同じです。 色が同じだから同じ漢字のようですが、なんと鳥の方が先のようです。 あの美しい色の鳥と同じ色だ…

金子あつし「風疹をめぐる旅~消される「子ども」・「笑われる」国~」

数年前風疹の抗体検査をしました。 小学生のとき発疹が出る病気を何回かやっています。 でも麻疹(はしか)なのか風疹なのか水疱瘡なのか認識していませんでした。 医者にも行っていないと思います。 ここ数年風疹についてのニュースを聞くようになりました。 …

飯間浩明「つまずきやすい日本語」

人はそれぞれ独自の脳内辞書を構成しています。 同じ単語を使っても微妙な違いが生まれます。 それが「つまずき」となります。 「そもそも言葉は伝わらないもの」だと。 それに世代間、地域間での差異が加わりとなおさらです。 正しい言葉もなければ、変わら…

養生

(土偶!についてはまたいつか…) 極寒かと思えば急に寒さが緩んだり、なかなか過ごしにくい毎日ですね。こんな時は養生が大事というわけで、前にご紹介した「気のはなし」の若林理砂さんによる「養生こよみ」を手に取りました。 あの頃はたしか夏至からしばら…