小林秀雄さんと岡潔さんが対談しました。
昭和40年、西暦1965年です。
58年前。
当時の雰囲気はわかりませんが、凄い二人の対談、というイメージです。
序盤から辛口です。
世界の知力が低下しているという気がします。日本だけはなく、世界がそうじゃないかという・・・。
それはお二人が凄いだけです。
岡潔さん
数学をどうするかなどと考えることよりも、人の本質はどういうものであって、だから人の文化は当然どういうものであるべきかということを、もう一度考えなおしたほうがよさそうに思うのです。
ご専門の数学だけではなく、日本という国を何とかしようとしています。やっぱり岡潔さんが飛びぬけて凄いのです。
ここのところ贋作、模写をテーマにした本を読みました。
贋作であろうと模写であろうと、ある人の心に響くものが本当に良いものではないかと思っていました。
小林秀雄さん
ゴッホ(の評論)を書いた動機というものは、複製なんですよ。その複製を見て、感動して書いたのです。 (中略) アムステルダムでその原画を見たのです。ところが感動しないのですね。複製の方がいいですわ。
素直にこう言える小林秀雄さんはやっぱり偉大です。
お互いに敬意を払いながら、異なる意見には忖度をせず「違います」と言い合えるお二人はやっぱり異常なほど凄いのです。
小林秀雄・岡潔「人間の建設」
読書空間 ひつじ日和