2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

グレープフルーツジュース

年に数回、グレープフルーツジュースを飲みたいなあという日があります。だいたい暑い頃かな。頭の中も気分もシャキッとしますよね。急に春めいて、もわっとした日にも効果ありな気がします。 グレープフルーツを選ぶ時は真剣。皮が剥きやすいのとそうでない…

宮本輝「田園発港行き自転車 下」

これはとてつもなく大きな愛を持った人の物語です。この人物無しではどこかで破綻をきたしていたでしょう。 その人と関係のある人物の全員がどうやったら幸せになれるのかを考え実行します。そしてそれを公言することは決してありません。利他の塊のような人…

告別

春は別れの季節、そして、こどもたちのピアノ発表会の季節です。期限が迫ると通常より練習に熱が入ってきます。誰かが弾いているとなぜだか弾きたくなるもの。どちらが先だと揉めながらも、各々が曲の総仕上げです。 難しそうに思えた曲を、数ヶ月間向き合え…

2023年3月の予定

2023年3月の予定です。 営業日:水・木・金曜日 10時頃~16時頃 おやすみ:土・日・月・火曜日 3月15日(水)はおやすみです。 読書空間 ひつじ日和

宮本輝「田園発港行き自転車 上」

立山連峰から流れ出す黒部川が作り出す扇状地。その恵みである湧水、田園。何かを象徴するかのような小さな赤い橋。富山県入善町の景色から物語は始まります。 東京の暮しに慣れない女性。未婚の母。富山県をサイクリングすることになった絵本作家。海の恵み…

循環

先日のひつじ日和の春の遠足で感じたことは、メンバーのあたたかい想いの循環でした。離れた地域で別の暮らしをしていても、どこかで私たちはみな繋がっているなとも。 そんなこともあって気持ちも大局的になってきたところに、末っ子ちゃんにせがまれて読ん…

風の男

(春分の遠州灘) どっどど どどうど どどうど どどう 出掛けた先でみつけました。もしやあの書は、、、ずっとお会いしたかった方の書でした。何年ぶりでしょう。話しながらうれしさが身体からはみ出してしまいました。 冒頭の〈どっどど〉は宮沢賢治、風の又…

情緒

私たちの間にあるものをなんとか言葉にして伝えたい。でも、言葉にすると途端に違ってしまう。ここに存在しているのは確かなのに。無言で感じるしかないのかな。そんな経験、どなたにもきっとあるのではないでしょうか。 〈人と人との間に通い合うもの、その…

境野勝悟「超訳 白隠禅の言葉」

「駿河には過ぎたるものが二つあり、富士のお山に原の白隠」 富士山と並ぶくらい大きな存在であった白隠さん。初めて知ったのは細川護熙さんの本「ことばを旅する」でした。 庶民目線の禅僧だったようです。 「静かなところで坐禅する「静中の動」の修行より…

nice things.

(三角の所にちょうど富士山が見える日も♪) ひつじ日和にこんな読み物が置いてあったらいいな。余計な説明はきっといらない。ただ手にとって感じていただけたらな。 〈情報ではなく情緒が動く媒体でありたい〉というところに、ぐっときてしまいました。 お取…

司馬遼太郎「街道をゆく 夜話」

司馬遼太郎さんの本を読むと天才だと思ってしまいます。膨大な知識という基礎があり、そのうえで読むことを飽きさせない文章を構成します。そしてアウトプットの量にも驚愕するばかり。 「街道をゆく」シリーズは読み始めたら止らなそうで怖かったのですが、…

遠足(続・お茶の話)

(かわいい♡わさびの花) 題して「作業をしてお茶をいただく価値の交換的オクシズ茶畑遠足」ドレスコードはしっかり作業のできる格好、持ち物は軍手に長靴、あとは元気! 春の茶畑を歩き、お茶農家さんの作業を体験する。浜松からの精鋭部隊?お騒がせ部隊?が…

3月15日はおやすみです。

3月15日(水)はおやすみです。 (タップorクリックで拡大します。) 読書空間 ひつじ日和

安野光雅 藤原正彦「世にも美しい日本語入門」

安野光雅さんが小学校の先生をしていた時の生徒の一人が藤原正彦さんだそうです。そしてこの本を企画した筑摩書房の松田さんも安野さんの生徒だったとのこと。すごい小学校なのか、ただの偶然なのか。 豊かな日本語についてお二人が対談します。日本語を母国…

栃久保奈々「インド式 壁の乗り越え方」

生きているといろんなところに壁が存在します。 低い壁もあれば高い壁もあります。 低いと思ったら厚かった、なんてことも。 その壁を乗り越えるのにインド人の思想や哲学、ヨガからヒントを得ましょう、というのがこの本の主旨です。 壁の高さや厚みは以外…

世界のはじまり

表紙に印象的なブルー。タムラ堂(インドTara Books 原書)からまたとっておきの一冊です。「夜の木」の時には、ご予約いただいた方も、その後の追加発注でなんとか手に入った分も、引き寄せられるように必要な方のもとへ。「世界のはじまり」は、どなたへ届く…

奈倉有里「夕暮れに夜明けの歌を」

2002年から2008年にロシアで文学を学んだ奈倉さん。 時代はなんとなく息苦しく、暗い方へ向かいます。 まだクリミアの併合は先のこと。 ロシアがウクライナへ侵攻するなんて思いもよらないけれど、周辺国に対する差別的な発言や、ナショナリズム高揚の行きつ…

ミモザ

訪ねてくれた友人を見送ると、可愛いミモザの花が夕陽に照らされてきれいでした。元気な友人だからか、それともミモザの輝く黄色が元気にさせるのか。花言葉は「友情」ミモザの季節に友に会うなんて最高だね〜♡と話したところでした。 その日は満月。じきに…

ライラック

( Pursue your passion いつも情熱を胸に) 仕掛け本を手に取ることはあまりなかったのですが、わすれな草、ラベンダー、ジャスミン、ライラックなど、集められた花たちの色合いが好みでつい見入ってしまいました。 そのお花が何を象徴するかは地域や文化によ…

吉本隆明「ひきこもれ」

人の性質は多様性に富んでいます。 大人数で集まることが好きな人がいれば、ひとりで何かをすることに喜びを感じる人もいます。 極端にどちらかに寄っている人は少なく、多くの人はその中間のどこかに位置するのではないでしょうか。 吉本隆明さんは「ひきこ…

ガブリエル・ガルシア=マルケス「ガルシア=マルケス中短篇 傑作選」

ガルシア=マルケスさんの中短篇集です。 10作品収録。 ガルシア=マルケスさんの作品は輪郭がなかなかつかめないけれど、先が気になって読み進んでしまいます。 「百年の孤独」も「コレラの時代の愛」もそんな感じでした。 きっと細かいところは気にしなくて…

正岡子規「墨汁一滴」

重度の結核を患っていた正岡子規。 最後の数年は立つこともままならなかったようです。 あとは死を待つばかりという病床の中から日記を書きました。 それでも悲観的な内容はあまりありません。 かなり長い文章も書いています。 俳句、短歌への批評もします。…

川端裕人「「色のふしぎ」と不思議な社会__2020年代の「色覚」原論」

人間の眼は不思議です。 肉眼でとてもきれいな景色を見て、それを撮影し確認するときれいさが全く残されていないことがあります。 何か特殊な増幅装置とかフィルターみたいなものがあるに違いありません。 また色について誰かと意見の相違が出ることも当然の…

桃の節句

あっという間に2月が終わり、もう桃の節句ですね。いただいた桃の花がきれいに咲きました。 いい気分のついでにもうひとつ。イラストが得意な女の子が描いてくれました。これ、私ですって。似てるかな♪その場でさっと描いて、明るい気持ちにしてくれてすご…

ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」

かつては世界の中心であったイギリス。 豊な文化(音楽や芸術)、各種スポーツの発祥地、そして産業革命もこの国ら始まっています。 最近では物価の上昇や、EUからの離脱など、苦悩している面もあるようです。 そうは言っても日本からでは人々の生活は全く見え…