2019-01-01から1年間の記事一覧

村上春樹「村上ラヂオ2」

村上春樹氏のエッセイ、たまに読むと面白いです。ずっとだと飽きてしまいそうですが。3もあるんですね。またどこかで読みたい。 ラジオでやっている村上radioも面白いです。 村上ラヂオ2ーおおきなかぶ、むずかしいアボカドー(新潮文庫)【電子書籍】[ 村上…

井上靖「しろばんば」

著者の少年時代が題材になっているそうです。どこまでが本当なのでしょうか。昭和の始めくらいの時代設定だと思われます。伊豆半島内陸部の生活がわかります。良くも悪くも田舎ですね。浜松も少し出てきます。 しろばんば (新潮文庫 新潮文庫) [ 井上 靖 ]…

yomyom2019

2019年もあっという間でした。「歳をとると細胞の入れ替わりが遅くなり、その分時間が早く過ぎる」という仮説を支持します。 さて今年読んだ本の中で面白かったものです。 谷崎潤一郎「細雪」戦争前のなんとなく暗くなってきた時代に、それでも優雅に淡々(?)…

岡田恵美子「言葉の国 イランと私」

国王に手紙を書き、国費留学生になった方です。しかも1963年のイランに。すばらしいアイデアと行動力です。筆者もおっしゃっていますが、中東は行ってみないとわからないことがたくさんありそうです。興味深い国々です。みんな仲良くやりましょう。 言葉の国…

ジョン・アーヴィング「ガープの世界 下巻」

何年かぶりの「ガープの世界」。内容はほとんど覚えていませんでした。その分面白かった。ジョン・アーヴィングさんのお話は、絶望的ですが、希望もあります。独特の雰囲気を出します。よくこのようなお話が書けるな、と感心します。 ガープの世界 下 (新潮…

下村尚之「アナ物語」

ダイニチさんにお邪魔する機会があり、再読しました。 いろんなヒントが詰まっています。 人と同じことをしても意味が無い、という良い例です。 娘は「アナと雪の女王」のアナだと思っています。 アナ物語―髪の毛よりも細い穴あけます 作者:下村 尚之 まつお…

佐藤正午「月の満ち欠け」

タイトルに惹かれました。面白いテーマだと思います。常に先が気になる展開でした。満ち欠けとはそういうことを意味していたんですね。佐藤正午さんの本は初めてでした。他の本も読んでみたい。 岩波文庫的 月の満ち欠け [ 佐藤 正午 ]価格: 935 円楽天で詳…

横田増生「潜入ルポ amazon帝国」

横田氏の潜入シリーズ面白いです。実際に体験することの重要さですね。アマゾンは良きにつけ悪しきにつけすごい会社です。アマゾンの箱を運んでいる運送会社を毎日のように見ます。街の本屋さんが無くなったら悲しいです。日本に税金が払われないのも悪しき…

武蔵野と流れ星

先日夜、東名を走っていたら、流れ星が。 結構長い間流れていました。 右から前方に向かって、定規を引いたように真っすぐに落ちていきました。 こんなにキレイに見えることはそうはありません。 「君の名は」の彗星が落ちてくるような感じでした。 後でドラ…

ジョン・アーヴィング「ガープの世界 上巻」

10年以上前に一度読んだきりでした。面白かった記憶がありますが、今回読んでみて、こんなシーンあったっけ?と思うくらい覚えていませんでした。下巻が楽しみです。 ガープの世界 上 (新潮文庫 アー12-1 新潮文庫) [ ジョン・アーヴィング ]価格: 825 円…

浅田次郎「地下鉄(メトロ)に乗って」

不思議な物語でした。登場人物の人生が地下鉄の路線図のように、時には交差し、時には平行し、離れていきます。人それぞれの思いを抱え、そしてその思いは誰にも理解されることなく生きてゆかなければならない時もあります。久しぶりの浅田次郎さん、楽しく…

七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

読んでいて??がいっぱい出てきました。何も知らない前半は普通に楽しんでいました。最初から時系列を整理しながら読む必要があります。高寿くんが15歳の時には再会していなかったのかな? ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫) [ 七月隆文 ]…

メアリー・アン・シェイファー/アニー・バロウズ「ガーンジー島の読書会 下」

書簡のみで展開する物語。最後の手紙の追伸も最高です。とにかく読んでみてください。 地図でガーンジー島の場所を確認しました。フランスの方が近いです。独自の議会と政府を持つが、主権国家ではない。興味深い島です。 ガーンジー島の読書会 (下) 作者:メ…

メアリー・アン・シェイファー/アニー・バロウズ「ガーンジー島の読書会 上」

上巻は全て書簡のみで構成されています。なので最初に分かっていることはほとんどありません。少しずついろんなことが明かされていきます。時代背景、場所も面白い要素の一つです。下巻が気になります。 ガーンジー島の読書会 (上) 作者:メアリー・アン・シ…

夏目漱石「門」

夏目漱石の本はいつ、どれを読んでも面白いと思いますが、いかがでしょうか。この本は弟子が最初に「門」というタイトルを付けたそうです。読んでいてもなかなかタイトル「門」に関することが出てきません。 仲の良い夫婦の日常が、次第に門に向かって加速し…

赤川次郎「ふたり」

かなり久しぶりに赤川次郎さんの作品を読みました。ある姉妹と家族の物語。さらさらと読めますが、内容はところどころ深いです。姉妹の物語は面白いものが多い気がします。 ふたり (新潮文庫 あー13-17 新潮文庫) [ 赤川 次郎 ]価格: 649 円楽天で詳細を見…

福岡伸一「ナチュラリスト」

福岡ハカセの今までの知識を、ナチュラリストという軸でまとめたような本です。ドリトル先生の住んでいた街を探したり、博物館の訪問記は楽しいです。人間全員がナチュラリストの素質を持っています。花鳥風月を眺めながら、いろんなことに思いを馳せましょ…

レイモンド・カーヴァー「ファイアズ(炎)」

久しぶりのレイモンド・カーヴァーさん。なんだかおもしろくて読み続けてしまいました。 詩については難解だと思いました。英語だとまた違うのでしょうか。 知識・感性の問題かもしれません。短編はすごいなぁと感心しきりです。今まで読んだものも再読した…

スティーブン・キング「書くことについて」

スティーブン・キング氏の作品で読んだことのあるものは物語のみでした。いろんなことを次々と思いつく、すごい人だと思っていました。私生活やらどんな人かなどは全く知りませんでした。この本を読んでちょっと垣間見た気がします。最初のイメージとは少し…

スティーブン・キング「スタンド・バイ・ミー」(恐怖の四季 秋冬編)

恐怖の四季から秋冬の2編です。秋編「スタンド・バイ・ミー」は映画でもおなじみです。原題「The Body」。 本を読んで映画がよくできていると思いました。冬編「マンハッタン奇譚クラブ」。こちらもぐいぐいと引き込まれるお話でした。 よくいろんなこと思い…

中島敦「南洋通信」

20年くらい前にロタ島に行ったことがあります。戦争のキズ跡が残る、なんとも寂しい島でした。ホテルにはかつて日本人街の地図がありました。鈴木とか木村とか日本人の苗字がたくさんありました。そこに中島敦も行ったことがあるんだと思うと、不思議な気分…

今尾恵介「地図帳の深読み」

地図帳好きにはたまらない本です。地形、境界、地名、人口、宗教、歴史、etc。深読みしていったらどんどん広くなり、さらに広く深い知識が必要となります。タイトル通り奥深い1冊です。中学生時代の地図が欲しくなりました。 地図帳の深読み [ 今尾恵介 ]価…

スティーブン・キング「ゴールデンボーイ」

「刑務所のリタ・ヘイワース」は何度読んでも面白いですね。アンディ・デュフレーンの性格がすごい。 映画「ショーシャンクの空に」の原作です。 「ゴールデンボーイ」はホロコーストを絡め、いろいろなエピソードが絡まります。最後は螺旋階段を落ちていく…

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」

1回目は??と思ったところがたくさんあり、終わってから少し考えこんでしまいました。2回目は前後左右のつながりを確認しながら読みました。そういう意味で2回目も楽しかったし、違った感覚を持ちました。 静岡市をご存知の方は知っている地名が多く出てき…

垣谷美雨「定年オヤジ改造計画」

他の家のことってよくわからないので、みなさんどうなのでしょうか。ここまでひどいとは思っていませんが。ちなみに我が家は結構分担してやっています。最後の方は、やればできるじゃないですか、と思いました。 定年オヤジ改造計画 (祥伝社文庫) [ 垣谷美…

大崎善生「アジアンタムブルー」

家で育てているアジアンタムが枯れてきてしまいました。何か対応策が無いかと再読しました。十分に水をあげることしかわかりませんでした。前回読んだのは10年以上前だったように記憶しています。内容はある程度しか覚えていませんでした。憂鬱には気を付け…

赤神諒「戦神」

戦国時代の豊後にいた武将、戸次鑑連(べつきあきつら)。元祖ベッキーですね。14才で初陣。しかも指揮旗を振ったらしいです。住んでいる地域の武将はなんとなく耳に入ってくるものですが、遠い地域だと知らないけれどすごい武将が多くいるんでしょうね。面白…

宮下洋一「安楽死を遂げた日本人」

難しい問題です。ただ医療が発達し、様々な手段で延命が可能な世の中です。このような形があることを知っておいても良いのではないでしょうか。尊厳死や緩和ケア等もみなが知るべき問題だと思います。この家族の場合、本音をぶつけ合い、最終的に納得できる…

中島敦「李陵・山月記」

高校の教科書に「山月記」が掲載されていました。その当時はそれほど感銘を受けませんでした。大人になってから読んだら面白くてびっくりしました。そして今回の再読です。長く生きていると面白くなる類の本ですね。中島敦さんが長生きされていたらどんな本…

清水義範「江勢物語」

清水義範さんの本は初めてです。どれも面白く読みました。古典の知識すごいですね。古典を詳しく知っているともっと面白くなるんだと思います。清水さんの10年後くらいにインドに行きました。その時もすごかったです。 江勢(えせ)物語 (角川文庫) 作者:清水 …