2020-01-01から1年間の記事一覧

ゆく年くる年

10年ぶりにお店を開けたのは8月末。日常が“ひつじ日和“になってみると、春までの暮らしが不思議なくらいです。決めたら風みたいに物事が進んで今に至ります。たくさんの再会とはじめまして。ただただ、感謝の気持ちでいっぱいです。有給休暇で来て下さった方…

yomyom2020

今年読んだ中で、印象的な本を紹介します。 何と言っても新型コロナウィルス関連です。 ・ユヴァル・ノア・ハラリ「緊急提言 パンデミック」 人間どうしの信頼の欠如が悲劇を招いている、 お互い信頼することで対処できるはず、と訴えます。 ・パオロ・ジョ…

ポール・オースター「冬の日誌」

ポール・オースターさんのエッセイです。 もうすぐ64歳。 人生の冬を意識します。 「いま語れ、手遅れにならないうちに。」 「生きるのがどんな感じだったか、吟味してみるのも悪くないんじゃないか。」 ポール・オースターさんの半生を、様々な角度から知る…

ジェレミー・マーサー「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々」

この本屋さんを知ったのは映画の中でした。 非常に魅力的に映りました。 実在するお店です。 著者のジェレミーさんは、ひょんなことからこの書店で暮らすことになります。 安らぎ、怒り、諦め。 様々な出来事が待ち受けていました。 中を覗いてみたいけれど…

詩集 愛について

ストレートな題なので実はそっと胸の内にしまっておこうかと思いました。 でも、棚に並べながら手に取り、この詩集に惹きこまれたまましばらく立ち尽くしていたくらいなので、やはりご紹介します。 人との距離が取り沙汰されるこの頃、 離れたところにいて …

クリスマスの贈りもの

昨日の貸切の時間には、絵本のお店キルヤさんとcafe the eelのMotoさんによる朗読と音楽を楽しむ小さな会がありました。 大人になってから誰かに本を読んでもらう機会って、あまりないですよね。 朗読に静かに耳を傾けると、お二人が知らぬ間に絵本の世界に…

書き込みあり

古書の書き込みに遭遇したことはありますか? あ、ここに線を引いたんだ!と誰かの痕跡がうれしくなってしまいます。 書き込みをした方も忘れてしまっただろうその線。 正しさよりもやさしさを選べているかしら。 そんなことを思った午後でした。 読書空間 …

2020年12月の予定

12月の予定です。営業日 平日(9時~15時頃)おやすみ 土曜日、日曜日〇12月23日(水) 午前中は貸切の予定です。 13時頃~開店します。〇年末年始のおやすみ 12月31日~1月3日 2021年1月4日から通常営業予定です。※ここ数日どの時間帯でもゆったりとお楽しみい…

ゆず

昨日、浜名湖周辺を散歩していたら 無料配布「ゆず、どうぞ」 の張り紙に出会いました。 ひと袋、ありがたくいただきました。 今日は冬至ですね。今夜はゆず湯にしよう。 寒くなりましたけれど、おかげで気持ちはとてもあったかくなりました。 ありがとうご…

クリスマスの思い出

サンタクロースは何歳まで来てくれるのでしょうか。 私の場合はたしか小学3年生くらいでした。 サンタさんに書いたお手紙の返事が、翌年に最後の贈り物、ロアルト・ダール作「魔法のゆび」と一緒に届きました。 Dear○○ Merry Christmas ○○○○○ ×××××××× 良書…

ポール・ギャリコ「雪のひとひら」

友人から雪の便りが届きました。 私の大事な人は冬好きが多い気がします。 だから寒いのは得意ではないけれど、私も冬が好き。 そんな気分のまま手に取ったのは、ポール・ギャリコ「雪のひとひら」 ある寒い冬の日、はるかな空の高みで生まれた”雪のひとひら…

門井慶喜「銀河鉄道の父」

宮沢賢治の生涯を、父、宮沢政次郎の視点で描いています。 苦難の連続ですね。 生前にほとんど評価されていません。 「注文の多い料理店」を初めて読んだのはいつだったでしょうか。 衝撃的だったことを覚えています。 宮沢賢治の作品を読みたくなりました。…

冬ですね。

最近は朝、目覚めてから布団を出る決心をつけるのに30分はかかっている気がします。 冬至まであと数日。 夜は長いし、ぬくぬくたくさん寝ていたい季節です。 昨年まではこどもの送りついでに朝の散歩が習慣でしたが、近頃はさぼりぎみ。 でも、今日はえいっ…

緋の舟 往復書簡

本当は会って言葉を交わしたい者同士、もし手紙の他に手段がなかったとしたら...。 尊敬し合う二人が綴る手紙とはこんなにも美しい魂の会話になるのですね。 志村ふくみさん(染色作家、随筆家)と若松英輔さん(批評家、随筆家)による、前半が往復書簡、後半は…

伊吹有喜「ミッドナイト・バス」

伊吹有喜さん、はじめてです。男性かと思っていましたが調べてみたら女性でした。 夜行バスが新潟-東京間を走ります。それに関連する人々の物語。 問題の無い人なんていません。 昔、新潟駅前のバスセンターに、たまたま行ったことがあります。この本に出て…

REBEL BOOKS

高崎にあるREBEL BOOKSさんから素敵な旅のZINE(個人制作の出版物、リトルプレス)をご紹介します。 小さな冊子に込められたこの熱量をぜひ感じていただきたいのです。 REBEL BOOKS さん(旅をしてでも行きたい街の本屋さん93ページ)は懐かしいご縁。 浜松にお…

リチャード・パワーズ「舞踏会へ向かう三人の農夫」

長らく読書順番待ちリストに入っていた本。 置いてある本を見るたびに、表紙の3人の視線を感じていました。 是非、事前情報無しで読んでみてください。 非常に長いです。 途中で眠くなります。 誰にでもおススメできる本ではありません。 それでも中盤以降は…

ユヴァル・ノア・ハラリ「緊急提言 パンデミック」

非常に納得の行く提言です。 夏前にこれらのことを世界で実施していたらもっと早く収束していたかもしれません。 ユヴァル・ノア・ハラリさんに全権委任です。 ともかく毎日、明るく、笑って生活しましょう。 緊急提言 パンデミック 寄稿とインタビュー 作者…

やまとけいこ「黒部源流山小屋暮らし」

面白そうな本なのでいつか読もうと思っていました。 かなり先延ばしにしていたのですが、先日「黒部の山賊」を読み、場所も近いに違いない、と着手。 やはり繋がりがありました。 山のシーズンは短いです。 7月~9月の約3ヶ月程度。 小屋開けから小屋閉めの…

若松英輔「弱さのちから」

若い頃にはきっと分からなかったと思います。 弱さを知り、弱さを受け入れ、世の中にある弱さを認める。 そこからはじまる何かがあります。 「人生を意味あるものにするには苦悩と愛である。だが、その背景になっているのは限界状況を生きる「弱さ」の叡知と…

瀧羽麻子「うさぎパン」

昔、職場の近くにパン屋さんがありました。 古民家を改修した店舗内には、店主がお好きであろう音楽が静かに流れています。 どのパンも美味しく、昼過ぎには売り切れで閉店。 名前も忘れてしまったけれど、あのパン屋さんはどうしているのでしょうか。 本を…

三浦豊「木のみかた」

ミシマ社さんが、「コーヒー1杯を飲む間に読める本」として企画したシリーズの1冊です。 読むと木が気になる本です。 どの木のお話も興味深いものでした。 木への愛を感じます。 もっとしっかり木を見なければいけません。 近くの街路樹はイチョウやケヤキが…

赤い実 2

またまた「集まれ赤い実」シリーズ。 今回はマユミの実。 初めてしっかりと本物を見ました。 真っ赤な実をそっと隠して、うつ向いて。 今日もやさしさと奥ゆかしさを忘れないでねと言われた気がしました。 読書空間 ひつじ日和

2020年11月の予定

11月の予定です。営業日 平日(9時~15時頃)おやすみ 土曜日、日曜日3日(火)、23日(月)は祝日ですが営業予定です。(9時~15時頃)13日(金)は12時頃からの開店予定です。午前中がおすすめです。(ゆっくりできます)読書の時間をどうぞ。読書空間 ひつじ日和

伊藤正一「黒部の山賊」

時代は昭和20年代~30年代。黒部川源流の山での出来事です。標高は2000m以上。 山賊というのは人々の単なる噂でした。実際には狩猟生活をしている人々のことです。 戦後、物の無い時代、装備の無い時代に山の上で生活することはどんなに大変か。 面白くてど…

色を奏でる

休日、急に早朝の森を歩きたくなり、みんなで早起きして森林公園へ行きました。 こどもたちも急にカメラマンに変身します。 微妙な草木の色合いと森の音を感じながら小一時間歩いて帰宅すると、まだいつもの休日の遅い朝。とてもお得な気分でした。 歩きなが…

フェルトのブックカバー

季節外れの暖かさに拍子抜けしていた数日ですが、夕方最後のお客さまを見送るともう真っ暗。 知らぬ間に季節は移り変わっているのですね。 知人teto wool からこれからの季節にぴったりのブックカバーが届きました。 ひつじ日和とフェルトは好相性。 寒い季…

平川克美「見えないものとの対話」

「小商いのすすめ」で良い印象を持っている平川氏。 現在は「隣町珈琲」という喫茶店をやっているそうです。 ホームページを見てみたら今月リニューアルオープンです。 どんな方かよく知りませんでしたが、この本を読むと少し理解できます。 なかなか面白い…

福元ひろこ「歩く旅の本」

我が家はわりと歩く方だと思います。 少し遠めの公園でも歩いて行ったり。 徒歩は想像よりも早いんですよね。 自分の足でどこまで行けるか知ることは大切なように思います。 この本は福元さんが熊野古道を歩いた記録です。 伊勢から熊野本宮大社まで。 山あ…

髙橋真理子「人はなぜ星を見上げるのか」

著者の髙橋真理子さんの名を知ったのは、昨年ご来光を富士山の頂上で!と登山する真っ最中のことでした。 流星群がばっちり見える最高の天気に恵まれ、空を見上げれば星が降ってくる夜。ホールアース自然学校のガイドさんに髙橋真理子さんという宙先(そらさ…