紅茶の話

 

猫

 

過去には珈琲の話、最近ではお茶の話1、2とくれば、お次は紅茶のお話です。

 

20年近く前になるでしょうか。東京のある紅茶店のお教室に、少しの間通ったことがあります。ちょっと背伸びをして、マダムたちに混ざって。パンやお菓子も教えて下さるので、焼きあがるのを待つ間、いい香りに包まれながら、紅茶の歴史や美味しい頂き方などを学びました。

 

少人数であたたかい雰囲気の中、ぐっと歳上の先輩方のお話をうかがうのが何より楽しかった。こちらの悩みを相談したわけではありません。でも、あの時間、空間だけは、当時の私のことをちゃんと受け止めてくれた気がしたし、そこでもらったパワーのようなものがあったことは確かです。

 

その頃は無自覚でしたが、身を置く場所を変えてみることや立ち止まることは、粟立った心を鎮静化し、その後の意識と行動の変容のために必要だったと思うのです。

 

今ではよく聞くようになった、HYGGE(ヒュッゲ)というデンマークの言葉。初めて知ったのもそちらでした。ゆったりとあたたかく、心地よい時間や空間を大切にする、というような意味合い。迷える小娘にヒュッゲの魔法をかけて下さった紅茶店のマダムに、心から感謝しています。

 

 

 

ヘレン・ラッセル「幸せってなんだっけ? 世界一幸福な国での「ヒュッゲ」な1年」

 

 

 

読書空間 ひつじ日和