確か小学校の卒業文集の中の「将来何になりたいか」という欄に「本屋」と書いた記憶があります。
それは積極的なものではなく、特に何もなりたい職業も思いつかず、当たり障りのないものを選びました。
それなのにこうやって本を売っているなんて奇妙なものだと思います。
12歳のリツ君も将来のことについて考えるようになりました。
つむじ風食堂にいる大人に「職業は何ですか?」と尋ねます。
なかなか結論は出ませんが、考えるきっかけになりました。
今日も食堂に行くために、小銭を握りしめ、路面電車に乗り込みます。
吉田篤弘「つむじ風食堂と僕」
読書空間 ひつじ日和