ロシア文学者、翻訳者であり、外国語大学の学長を歴任されている亀山さん。
教養について熱く語ります。
迷いながらもご自身の経験と重ね合わせ、教養周辺の話題を取り上げます。
教養について考えてみます。
備えておくべき基本的な知識、みたいなイメージを持っています。
けれども具体的に挙げることは結構難しいです。
例えば流れている曲がモーツァルトと分かることは教養の一部ではあると思いますが、誰もが知っておくべきか、と問われると考えてしまいます。
亀山さんは「教養は共通知であり、作法であり、なおかつ人間的なぬくもりを帯びている」と述べます。
そして英語ばかりを学ぶことについての危機感を訴えます。
その英語を役立たせるためにも、その二倍の時間をかけて英語以外(文学、哲学、思想、文化芸術など)のことをしなさい。
教養とは豊かな人生を生きるための一要素なのです。
弁証法の止揚(対立する二つの概念を融合させ高める)という言葉が好きなのですが、亀山さんは「インターネット検索がその手法であり、知的興奮の経験だ」とおっしゃっていることに、心の底から納得をしてしまいました。
亀山郁夫「人生百年の教養」
桃李成蹊
桃や李の木は、じぶんから言葉を発することはない。しかし、そのかぐわしい香りを求めて、自然と人が集まってくる。その結果、木の下には道ができる。つまり、徳のある人は、じぶんから声を発さなくても、おのずと人が集い、いつしか道ができてしまうものだ。
ラインホルド・ニーバー 祈り
「変えられないものを心穏やかに受け入れる力を与えてください。変えるべきものを変える勇気を、そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。」
読書空間 ひつじ日和