安野光雅「絵のある自伝」

 

安野光雅さんの「旅の絵本」シリーズは、見れば見るほど発見があり、子どもだけでなく大人も楽しめる絵本です。

 

エッシャーを感じさせる何かもあります。

 

そんな安野さんが自伝を書きました。

津和野での幼少期。

戦争時代。

就職、結婚。

作品とそれにまつわる人々。

 

発想が豊かなのでしょう。

ユーモアがあり過ぎて伝わらないこともあります。

こんな年賀状なら大歓迎。

 

 

印象的なことばをいくつか。

 

幸福とは何か。良い大学、良い会社に入ることが幸福であるとみなされがちな現代。学力、特に記憶力偏重の日本の教育を憂います。

わたしの考えでは、記憶とは調べればわかることを覚えていることが多く、創造の意味は少ない。

 

ドイツの教会の結婚式で、泣いている母親を見て思いました。

わたしたちは西洋と東洋のちがいばかりに目が行くが、よく考えてみると違うところよりも同じことの方が多い。

 

高齢になり知り合いが減っていく状況で。

時は、人の思惑とはか関わりなく、川の流れのように過ぎていく。

 

 

島根県津和野町では半世紀強の間に存在感のある人物が二人育ちました。

森鴎外と安野光雅。

きっと偶然ではない何かがあるのでしょう。

 

 

 

安野光雅「絵のある自伝」

 

 

 

読書空間 ひつじ日和