村上春樹「アンダーグラウンド」

 

1994年6月。

独り暮らしの部屋でそのニュースを聞き、怖くなって急いで窓を閉じました。

その日はもう夏のように暑く、エアコンのない部屋の窓を全開にしていたのです。

サリンという殺人的なガスを知ったのはその数日後でした。

 

1995年3月。

九州にとんこつラーメンを食べに行こうとした、まさに出発直前。

東京の地下鉄の駅で、何か大変なことが起こった、という映像がテレビから流れていました。

そこで用いられた凶器は、サリン。

 

あれから14年。

「アンダーグラウンド」を読みました。

なぜこの時期だったのでしょう。

 

あの時、あの地下鉄で何が起こっていたのか。

 

被害者というブロックではなく、個人という最小単位に分解し、その時の状況を明らかにします。

 

 

悪とか善とかを飛び越え、とても客観的に。

 

 

客観的だからこそ、雨の日にただ雨を眺めていたいような、なんとも言えない感情を持ちました。

 

 

 

村上春樹「アンダーグラウンド」

 

 
 
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