小さい頃、八ヶ岳を見ながら学校に通っていました。
冬のよく晴れた朝にはなぜかとても近くに見えました。
盆地の対角線にあるその山は、もし一つの山であったらとてつもなく高かったに違いありません。
八ヶ岳の麓を良く通るようになってからも、なんとなく惹かれる山です。
登ろうとまでは思いませんが、その周辺の暮しの豊かさと厳しさが想像できます。
八ヶ岳南麓に住み始めた平野さん。
元々は母親の別荘でした。
設備が古いため冬を越すことができるのでしょうか。
自然の美しさに目を瞠りながらも厳しさも実感します。
この土地を開拓した先人たちにも思いを馳せます。
「山村で何しているんですか?」と聞かれるそうです。
この本がその答えになっているのではないでしょうか。
平野恵理子「五十八歳、山の家で猫と暮らす」
読書空間 ひつじ日和