(ぐるぐるをもうちょっとなめらかに)
いつからか陰陽バランスの取れている状態の心地よさや、その秘めた力強さに惹かれるようになりました。
本書によると四季の移り変わりと同じように一日の中にも陰陽の変動があるとのこと。
それを一生繰り返していると思うと、ぐるぐる回る車輪のように生命エネルギーが流れる様子が浮かんできます。
いつか回転が止まるその日まで、どうせならなめらかにいたわりながら、この身体を使いたい。
そんな思いが膨らんできます。
「気」という見えないものを、怪しくならないようにするために〈一次情報、古典、エビデンス、西洋医学といった、やたらにフラットな視点〉を大切にしているそうで、著者の誠実な人柄が伝わってきました。
若林さんは小さい頃から不思議な力を持っているらしく、読み手としては実はそちらも気になってしまいましたが…。
気の合わない人は、ねじれの位置にいる人だと捉えるお話も面白かったです。
ねじれの位置、つまり同じ平面上にいないんだから無理もないやと気が楽になります。
夏真っ盛りですが、陽気は最大から既に転じていることを頭の片隅に置くと、在り方に余裕が生まれてくるように観じます。
わかりやすく養生のポイントを教えていただける、楽しい「気」のお話でした。
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若林理砂「気のはなし 科学と神秘のはざまを解く」
読書空間 ひつじ日和