4日も5日も-20℃の中に閉じ込められて、生き続けるなんて不可能なんじゃないかと思います。
一度だけ、八甲田山近辺に行ったことがあります。時期は2月の末。
それでも雪が深く、雪かきをした道路以外には足を踏み入れる余地なんて少しもありません。
想像を絶する寒さと、精神状態だったと思います。
読みながら、せつなさと寒さと、変な気持が押し寄せてきました。
なぜ日本が戦争を起こしてしまったのか。
それと同じ構図がこの本の中にはあるのではないでしょうか。
沢木耕太郎さんの「凍」、井上靖さんの「氷壁」、と並んで三大雪山小説に入りました。
新田次郎「八甲田山死の彷徨」
「他人を信ずることのできない者は自分自身をも見失ってしまうものだ」
読書空間 ひつじ日和