藤原正彦「国家の品格」

 
何度読んでも納得できる本です。
情緒は重要だとぼくも思います。
何にでも値段が付き、すぐに効率化を追求する世界は味気ないです。
余裕と無駄が生み出すものを大切にしたい。
 

卑怯はだめだ。
ならぬものはならぬ。
 

ちびっこたちにも少しずつ教えていきたい。
 

 

藤原正彦「国家の品格」

 

 

会津藩 日新館 「什の掟」

一つ、年長者の言うことに背いてはなりませぬ
二つ、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
三つ、虚言を言うことはなりませぬ
四つ、卑怯な振る舞いをしてはなりませぬ
五つ、弱いものいじめをしてはなりませぬ
六つ、戸外で物を食べてはなりませぬ
七つ、戸外で婦人と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬものはならぬものです
 

 

情緒とは、理論以前のその人の総合力と言えます。その人がどういう親に育てられたか、どのような先生や友達に出会って来たか、どのような小説や詩歌を読んで涙を流したか、どのような恋愛、失恋、片想いを経験してきたか。どのような悲しい別れに出会ってきたか。
 

 

四つの愛
家族愛 郷土愛 祖国愛 人類愛
まずは家族愛をきちんと整える。それから郷土愛。それから祖国愛。
 

 

武士道の行動、道徳規準
誠実、忍耐、正義、勇気、惻隠(他人の不幸への敏感さ)、名誉、恥
 

 

新田次郎
「弱いものを救うときは力を用いても良い、ただし五つの禁じ手がある
 ・大きいものが小さいものをぶん殴っちゃいかん
 ・大勢で一人をやっつけちゃいかん
 ・男が女をぶん殴っちゃいかん
 ・武器を手にしてはいかん
 ・相手が泣いたり謝ったりしたら、すぐにやめなくてはいかん。
この五つは絶対に守れ。
それには何の理由もない。卑怯だからだ。」
 

 

能率、効率は素晴らしいものかもしれません。しかし、各国、各民族、各地方に生まれ美しく花開いた文化や伝統や情緒などは、そんな能率、効率よりも遥かに価値が高いということです。「たかが経済」を絶対に忘れてはいけません。
 
 
 

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