日常の何気ない出来事が、いくつかの短編として描かれています。
読んだ後に、なんの話だっけ?と直ぐ忘れてしまいそうなくらい日常的。
しかしいくつかの物語には、その日常の中に非日常が隠されています。
例えば表題作「随時見学可」
ちょっとしたほころびから、それがどんどん大きくなって、崩壊してしまう。
でも人生ってこういうことも起きる可能性があります。
確率はともかくとして。
さらっと読めてしまう割には、お腹に何か溜まっていく感じです。
見学可の変な建物には要注意。
大竹昭子「随時見学可」
「芸術をしない芸術家」といえば聞こえがいいが、その身を社会に生かそうという意欲が希薄だった。生きていればそれでいい。死ねばそれも悪くはない。
読書空間 ひつじ日和