村上春樹「1Q84」

 
読書初級者に、「村上春樹さんの本で、読むべき本は?」
と聞かれたら、この本は挙げません。
長いし、おそらく人によってはもう村上さんを読まなくなってしまう可能性があります。
 
読書中級者には、一度読んでもいいかも、と答えます。
ちょっと我慢すれば、それなりに面白く読めます。
でももしその人がジョン・アーヴィングを読んでいないなら先にジョンさんをお薦めします。
 
1-4と5,6は別の物語とした方が面白く読めるのでは?
と思ってしまいました。
5,6は推理的要素が強くなっている気がします。
1-4は、それはそれで完結しているような。
 
村上春樹さんには「猫の町」をどこかで細かく書いて欲しいです。
 
 
 
 
 
「自分が排斥されている少数側じゃなくて、排斥している多数の側に属していることで、みんな安心できるわけ。」
 
 
ディスレクシア
 
 
「私たちはこのように便利な世の中に住んでいるから、そのぶん感受性は鈍くなっているのでしょうね。空に浮かんだ月は同じでも、私たちはあるいは別のものを見ているのかもしれない。四半世紀前には、私たちはもっと自然に近い豊かな魂を持っていたのかもしれない」
 
 
チェーホフ
「物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない」
 
 
天吾の父
「空白が生まれれば、何かがやってきて埋めなくてはならない。みんなそうしておるわけだから」
「説明しなければそれがわからんというこのは、どれだけ説明してもわからんということだ」
 
 
ウィンストン・チャーチル
「復讐ほどコストが高く、益を生まないものはほかにない」
 
 
深田保
「心から一歩も外にでないものごとなんて、この世界には存在しないんだ」
「愛がなければ、すべてはただの安物芝居に過ぎない」
「命と引き替えにしかできないこともある」
 
 
タマル
「それは俺になにかを教えてくれる。あるいは何かを教えようとしてくれる。人が生きていくためにはそういうものが必要なんだ。言葉ではうまく説明はつかないが意味を持つ風景。俺たちはその何かにうまく説明をつけるために生きていると思われる節がある」
 
 
オッカムの剃刀
 
 
読書空間 ひつじ日和