中島敦「光と風と夢」

 

「ジキル博士とハイド氏」の作者、ロバート・ルイス・スティーヴンソンは晩年サモアに住んでいました。
病弱な身体に良い温暖な南の島に興味を持っていたようです。

 

なぜか中島敦はこのスティーヴンソンのことを小説にしました。
(ロバァト・ルゥイス・スティヴンスンと表記しています。)
同様に病弱だったからなのか、南洋に興味を持ったのか。
この後中島敦も偶然南洋に向かうことになります。

 

この内容がどの程度正確かわかりませんが、サモア人を見下す白人と距離を置き、現地の人々と対等に交流するスティーヴンソンが描かれています。
スティーヴンソンは中島敦自身なのかもしれません。

 

 

文春文庫の現代日本文学館で読みました。
収録作品
「光と風と夢」
「山月記」
「弟子」
「李陵」
「悟浄出世」
「悟浄歎異」

 

様々な境遇におかれた人々が、葛藤を抱えながら、それでもなんとか生きていきます。

 

 

中島敦は小学校の頃2年と少し浜松に住んでいました。
ひつじ日和の近所だったようです。
中島敦のお父さんが浜松北高校で井上靖を教えていた可能性もあります。

 

 

中島敦「李陵 山月記」

 

 

「自分は自分が思っているほど、自分ではない」

 

Strange are the way of man. 人それぞれの生き方は不思議なものだ。

 

「鮫か鰹か、は、尾を見ただけで判る」サモアのことわざ

 

 

 

読書空間 ひつじ日和