誠実

 

拭きたくなる廊下

 

あるところに、古い物を扱うひっそりと誰が来るのか不思議な感じの、ひつじ日和と似た雰囲気のお店がありました。長年続ける秘訣をお店の方に尋ねてみたことがあります。「いろんな日があるけれど誠実に開け続けることかな。」と教えて下さいました。

 

〈誠実〉とは私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること、とありました。

 

十代や二十代の頃、誠実さがつまらないものに思えたことがありました。周囲に誠実に対応し傷ついたと感じた自分がいたのでしょう。歳を重ねた自分は、何はともあれ誠実ほど大事なものはないなと心から思います。

 

11月は営業日に祝日が2回もあり、平日はお仕事でいらっしゃることのできないお客さまや、初めて訪ねて下さった方々にお会いでき、とても有り難く、うれしく思いました。

 

かつてのような遅い時間帯や、土日も含めての営業が頭をよぎったこともありますが、家族と過ごす時間を大切にしたい、ゆったり気分を保ちたいという私の正直な気持ちにも誠実でいたいのです。

 

小さく歩みはのろくとも誠実なお店でありたいとあらためて思いました。

 

 

読書空間 ひつじ日和