ラベンダー

 
 
 
初夏はラベンダーの季節ですね。
高温多湿の浜松の者からすると、その紫と香りとを想像するだけで涼やかな心地になります。
 
長野の義母がほいっとくれるラベンダースティック。
外国文学によく登場するラベンダーのポプリだとかサシェだとか、幼い頃は特別な宝物みたいな気がして、勝手に崇めていたものが、ほいほいっと出てくるのはうれしい限り。これも冷涼な長野だからこその経験。
 
暑い、寒い、海、山…といった、人生の中にそっと散りばめられたコントラストをみつけ、それを感じられることは本当に楽しい!
 
こちらの「Ladies in Lavender」は原作者ウィリアム・J・ロック「Faraway Stories 」という短編小説集の一編なのだそうです。
 
英国コーンウォール半島。魅惑的な世界の片隅でひっそり暮らす姉妹。嵐の次の日、海岸で倒れた男の人をみつけます。船から投げ出されたと思われるその美しい青年は言葉も通じません。二人の献身的な介抱で命をとりとめ、静かだった姉妹の暮らしがにわかに色めき立ちます。次第にその青年は素晴らしいバイオリンの才能の持ち主だとわかるのですが…。
 
映画ではこの姉妹はマギー・スミスとジュディ・デンチが演じています。本ですと姉妹の年齢が40代後半。ぐっと歳上の映画の設定の方が「Faraway Stories」っぽくて、しっくりくる気がします。
 
何という曲なのかわかりませんが、バイオリンの音色がせつなく響く美しい映画でした。
 
最後にラベンダーの花言葉も忘れずに…。
「献身的な愛」「沈黙」「期待」ですって。
なんだかこの物語にぴったりですね。
 
 
 

 

 

 

 

ウィリアム・J.ロック 「 Ladies in Lavender ラヴェンダーの咲く庭で」

 

 
 
 
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