五月

 

樹々のトンネル

 

そろそろ五月も終わりですね。早いなぁ。外側の世界では、いい季節になって色々なものが一気に動き出し、溢れるエネルギーを感じるこの頃でした。

 

一方、ある天気のいいお休みの日。こんな日は出掛けたら本当は最高なんだろうけど、何もしたくなくてごろごろ。掃除も洗濯も最低限にして。風が気持ちよくてぼけ〜っと空を見ていたら、いつのまにか寝ていました。

 

山頂

 

その夢の中で何かすごく大切な気づきがあったはずなのに、起きたらすっかり忘れてしまいました。燻っていた何かは五月の爽やかな風に吹かれても、やっぱりそのままでした。

 

何もしないでこんないい日が終わってしまう。この本も積ん読になってしまう。「五月」だけはなんとか間に合わせました。木に恋をした女性の話でした。

 

〈今まで生きてきて、いったい何回あの木の下を気づかずに通りすぎてしまったんだろう。あの道は千回は通ったはずだ。いやもっとかも。もしかしたら、ほかにももっといろんなものを見落として生きてきたんじゃなかろうか。〉

 

 

アリ・スミス「五月 その他の短篇」

 

 

 

アリ・スミス「五月 その他の短篇」

 

 

 

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