未来に本当に必要なものは何か

 

今後の日本に必要な社会的インフラストラクチャーは何でしょうか。
その指針の一つとして人々の幸福の最大公約数が高いことが挙げられると思います。
人口が減っていく社会を認め、多くの人々ができるだけ負担なく、穏やかに暮らせること。

 

現在建設中のリニア中央新幹線は、あまり人を幸せにしていなように思います。

・JR東海の徹底的な秘密主義
工事現場である小さな村に住む人にさえ情報を提供しません。
また要望に応える姿勢もあまりありません。

・掘り出した土の行方
トンネルを掘るとかなりの量の土が出ます。
長野県内ではその土の活用方法がまだ3割程度しか決まっていないようです。
ここにもトイレ無きマンションがありました。
土はいったいどこへ行ってしまうのでしょうか。

・電力の問題
リニア新幹線はかなりの電力が必要です。現在のこの社会で電力を大量消費するインフラを整備する意味を何一つ見つけることが出来ません。

・人口減社会
そもそも旅行をする人が減ります。その上で、ほとんどがトンネルで景色が見えない乗り物で旅行しようとする人はあまりいないと思います。しかも今よりも高い料金で(相当高くなると予想しています)。
管理・保守する人の確保も大変でしょう。

・オンライン会議が一番早い
今すぐ遠方の人と連絡が取りたければ電話します。顔や現場を見たければ太いインターネット回線がそこにあります。仕事での利用も限定的なのでは。

・地域活性化の誤謬
今まで高速道路や新幹線が通るとそこを通過する人はたくさんいるけれど、滞在する人は少なくなるというデータがあるようです。感覚的にその通りではないでしょうか。なかなか辿り着けないからこそゆっくり滞在する意味があります。

 

 

旅行はゆっくり行くべきです。
それが仕事であれ、何であれ。
考え事をしながらたまには海や山を眺めたり。
とても良い時間の使い方だと思います。

 

 

信濃毎日新聞社編集局「土の声を 「国策民営」リニアの現場から」

 

 

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