浄化

 

妙高高原

(妙高山 赤屋根と青空が眩しく、スカイケーブルからは日本海も)

 

今夏訪れた妙高や赤倉の辺りは、岡倉天心にゆかりがある地なのだそうで、晩年を過ごしたという山荘跡には六角堂がひっそりとありました。

 

それをきっかけに、茶の本に一歩だけでも近づく助けにと、若松英輔さんの「岡倉天心 茶の本を読む」を、ゆとりある気分の時に開くようにしています。そもそも茶の本以前、解説書さえ私には難しいのですが、それでも霧が晴れるような気持ちになれる文をみつけることができるのはうれしいです。

 

やっと心地よい季節になって身も心もほっとして、素直な気持ちで文字が入ってくる。夏の高いエネルギーで心身が浄化された後に、沁み渡るような感覚です。

 

毎回沢山ある発見、せっかくなので昨日読んだ中で素敵だと感じた一節を引用します。

 

〈悲しみは誰かに受け容れられたとき、その姿を変える。悲しみはいつも情愛と美を伴侶にする。かつての日本人は「悲しみ」を「愛しみ」と書き、また「美しみ」とすら書いた。〉

 

〈人間が美にふれるのではない。美が、人間に手を差し伸べるのである。〉

 

〈自己を語るものに樹木がその霊なる姿を隠すように、美を用いようとする者に、美は、その身を預けない。〉

 

 

妙高高原からの野尻湖

(妙高山からは野尻湖が見えた)

 

 

野尻湖

(野尻湖)

 

 

野尻湖と黒姫山

(野尻湖からの黒姫)

 

 

 

若松英輔「岡倉天心「茶の本」を読む」

 

 

読書空間 ひつじ日和