山本登志哉 他「生み出された物語 目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか」

 
昔、甲山事件という冤罪事件がありました。
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精神薄弱者収容施設において、二人の子が失踪した。
ある園児の証言により保母さんが逮捕された。
物的証拠は何もない。
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この事件に対するテストをレポートしたものです。
園児たちに模擬事件を起こします。
それを何も知らない学生が、園児達から当日の様子を聞き取り、事実との乖離を評価する、という内容です。
 

結果はびっくりするものでした。
 

園児たちが正しく状況を語ることが難しいのはもちろんのこと、大人も想像力を働かせ、あせらず園児とコミュニケーションすることすら難しい。
 

人間の記憶のあやふやさと、見たいたいものしか見えない、という性質が複雑に絡まります。
 

ぼく自身も思い違いは星の数ほどあります。
 

 

 

山本登志哉 他「生み出された物語 目撃証言・記憶の変容・冤罪に心理学はどこまで迫れるか」

 

 

 

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